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十角館の殺人【綾辻行人】 [推理小説の棚]

宮﨑あおいさんが結婚されました。おっどろいた~
おめでとうございます。お幸せになってくださいね。
でも、仕事は続けて欲しいなぁ。

あと、映画「そのときは彼によろしく」の興行成績が伸びていない、
という記事を読みました。
私は好きなんだけどなぁ。
よかったら、
私のブログの熱い想いも読んでみてくださいネ。


 ★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★

さてさて、今日は、綾辻行人さんのデビュー作、「十角館の殺人」を紹介します。
この作品を最初に読んだのはいつだろう?
少なくても、も~10年以上前なのは確かです。
なので、きっかけも覚えていませんが、カバー裏のストーリー紹介に魅かれたことはもちろん、
辰巳四郎さんのカバーに魅かれたことはまちがいありません。
やわらかい線で、深緑を基調とした、とても重厚感のある絵だと思います。
とても好きです。
でもでも、辰巳さんの作品群を見ると、なかなかグロテスクというか、
デフォルメされた衝撃的な絵で、この作品の装丁とイメージが合いませんでした。
是非とも、「辰巳四郎イラスト・ギャラリー」を覗いてみてください。
私は、「館シリーズ」の装丁ような作品郡が好きだなぁ。装丁の画集が欲しいなぁ。

【 ストーリーは?? 】

半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島・角島の「十角館」に、
大学の推理小説研究会の男女7人が訪れる。
島に建つ奇妙な建物「十角館」は、その名のとおり十角形―正十角形の外壁の内側に、
中央に正十角形の部屋(ホール)があり、その周りを十個の台形の部屋が取り囲んでいる。
その「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。
アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」のように、一人ひとり殺されていく。
はたして生きて残るのは誰か?犯人は誰なのだろうか・・・・。

十角館の殺人 十角館の殺人
  • 作者: 綾辻 行人
    出版社/メーカー: 講談社
    発売日: 1991/09
    メディア: 文庫

 ▲ 辰巳四郎さんのイラストを感じてみてください!

【 密室物 】

この作品は「密室物」です。
密室物には文字どおり、物理的に人の出入りができない空間において
殺人が発生するというパターンと、物理的な密閉性はないものの、
人の出入りができないに閉鎖された空間で殺人が発生するという
パターンがありますよね。
この作品は、孤島において発生する殺人なので基本的に後者のパターンのお話です。

このようなストーリーって、森博嗣さんの「すべてがFになる」などもそうですが、
比較的多くの作家に用いられているモチーフかと思います。
でも、このようなストーリーは、なんとなくワクワクします。
非日常性の世界で、魅力的な世界が構築されるからでしょうか。
綾辻さんは、きっと、この密室物というか、本格派の推理小説に、
かなりのこだわりがあるのでしょうね。
本書の中でも、登場人物に推理小説についてとか、
「嵐の山荘」パターンについて、熱く語らせています。
この登場人物が語る解説。
「なるほど~」と感心し、納得させられます。

【 登場人物の名前 】

この作品の登場人物は、島を訪れる7人が、
「エラリイ」、「カー」、「ルルウ」、「アガサ」、「ポウ」、「ヴァン」、「オルツィ」
と、欧米の著名なミステリィ作家に由来するニックネームで呼ばれており、
その他、「江南(かわなみ)」(※「コナン」と呼ばれている。)、
「守須」(※「モリス」はそのまま)
といった人物が登場します。
これが、綾辻さんの「こだわり」というか、巧みなところなのでしょうね。

それにしても、恥ずかしながら、私は「ガストン・ルルー」っていったら
「オペラ座の怪人」しか知りませんでした。
”名前は知っていても、内容を知らない”作品の代表例だった「オペラ座の怪人」は、
何年か前に読んでいましたが・・・。
なかなかおもしろかったですよ。

【読みやすさ!】

本書の最後は、犯人が自ら、犯行の動機や犯行方法などを語ります。
よく犯行動機とか犯行方法をあまり明確にしない場合もありますが、
あまり語らなすぎると、その理由が理解できず、
読者に消化不良を起こさせてしまうことがあります
(すべての読者が読解力を持つわけではありませんよね。
最後の最後でよく分からないときがあったりして・・・(^^;)。
本書のように自ら語ることは、読者にとってとてもやさしいと思います。
そういう意味でも、推理小説の初心者とか、
本格物の初心者にとって読みやすい作品かもしれませんネ。

 ★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★
 
【 関係ない話ですが・・・ 】

以前、ある作品で、登場人物に、
  「重要な事実が偶然判明したり、偶然であった人物が事件の関係者で、
  重要な鍵を握る人物である」
なんていうストーリーは問題外だ!というようなことを熱く語らせている
作家(綾辻さんではありません)がいました。
ところがところが、その後のストーリー展開で、偶然、事件の鍵を握る人物と出会うんです。
なんなの?この作家は・・・っと唖然としました。
その作品、なかなか読みやすくておもしろかったけど、そこで興ざめ。
それ以来、その作家の作品は読んでいません。
今回、登場人物が推理小説について熱く語っている「十角館の殺人」を読み返していて、
そんなことを思い出しました。

 ★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★

「新装改訂版」なるものが出ました。
装丁の雰囲気もいいですね(色使いが好きです!)。
改稿部分を読み比べてみるのもいいかもしれませんね。

十角館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-14)十角館の殺人 新装改訂版 (講談社文庫 あ 52-14)
  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫


                         <平成19年11月4日追記>
 


 


タグ:綾辻行人
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コメント 3

初めまして!綾辻先生の小説、面白そうですね~。今は京極先生の分厚い本と格闘中でスッカリ忘れてましたが、いつかは読んでみたい本ですね。
by (2007-06-16 20:56) 

茅ヶ崎住人R

私もこの本に衝撃を受けました。
おもしろかったです。
館シリーズは
全部読みましたが
これが一番でしょうね。
by 茅ヶ崎住人R (2007-06-17 13:32) 

ecco


茅ヶ崎住人Rさんのところから
こちらに飛んできました。

この本を読んだきっかけは
ゲームソフトだったような・・・・

なんだかずいぶん前の話で
記憶が曖昧です。
by ecco (2007-06-17 21:14) 

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