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吸涙鬼 【市川拓司】 [静かな物語の棚]

市川拓司さんの作品って、とても繊細で大好きです。
この作品も、少し触れたらパリンと崩れ落ちてしまいそうな繊細な
二人の恋物語。
出逢った二人が密かに惹かれあい、想いを抑えようとしても抑え
きれなくて、静かに、静かに葛藤している・・・。そして、想いが通じ
合っても・・・  そんな物語です。

  吸涙鬼.jpg
  ▲ 文庫よりハードカバーの表装のが好きなので♪
  
吸涙鬼 (講談社文庫) 
  ( ↑ amazonへはここをクリックしてネ!
  作者: 市川 拓司
  出版社/メーカー: 講談社
  発売日: 2012/10/16
  メディア: 文庫

【 story 】

治療法がない病気のため、20歳までしか生きることのできない
17歳の美紗。それが運命と受け入れ、静かに生きていた美紗の
前に、不思議な雰囲気の転校生・榊冬馬が現れる。冬馬の中に
ある繊細な心に自分との共通点を見つけ、美紗は惹かれるのだった。

満月の夜、大好きな校舎の屋上庭園に密かに忍び込んだ美紗は、
意識を失ったところを冬馬に助けられる。翌日彼のコテージを訪ねた
美紗は、20歳で死ぬ病気に罹っていることを冬馬に告白する。
それを機会に少しだけ接近する二人。しかし、冬馬は何かから逃れる
ように転校してしまう。
次第に病気が進行し、病室のベッドで眠り続ける日が増えていく美紗。
ある日、そんな美紗のもとへ冬馬が現れる。そして、彼は美紗の病気
を治すというのだった・・・。

【 繊細 】 

運命の出逢いとか、たとえ離れても、深く心が結びつき合っている、
そんな関係って憧れます。私自身は現実主義者だと思っているので、
そんな関係って幻想、もし幻想ではなくても、ほとんど奇跡に近いもので、
決して自分が経験することのない世界だと理解しているつもりです。
でも、それが夢物語だと理解していても、透明で、清く澄んだ物語に
触れていると、なんだか自分の心まで透明に、澄んだような気持になり
ます。そこが心地よくて、またこういう物語を探してしまうのかも…。

でもでも、そんな心地よい作品ってなかなか見つからないんですよネ。
この物語は久しぶりに出逢えた、とても心地よくなれた素敵な作品でした。
お薦めです♪


タグ:市川拓司
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