出逢った小説リスト 【2014年4月-6月編】 [読んだ作品リスト]
2014年(平成26年)の4月~6月に私が出逢った小説たちです♪
この第2四半期は、以前から気になっていながら読んでいなかった
作品をいくつも読めました。その中でも、綾辻行人さんの霧越邸は
たぶん10年以上前からの念願!! ^_^;
やっと読んで、なんだか、さっぱりした気分です!♪
※ 『出逢った小説リスト【2014年1月-3月編】』もよかったらどうぞ♪
※ 既に紹介している作品のタイトルにはLinkを貼っています。
― 4月 ―
12_硝子のハンマー 【貴志裕介】
以前から気になっていた作品。単純に正義の立場から密室
に挑むのではなく、犯罪者の立場から挑むという、ちょっと違っ
た視点の主人公はおもしろかったです。
ただ、犯罪者の立場から解決するとはいえ、非合法な手段で
も証拠集めが可能というのはどうかと・・・。推理小説の魅力は、
限られた手段の中で、いかに証拠を切り崩していくかがであって、
非合法な手段でいいのでしたら、簡単に謎解きできてしまいま
すからね。視点がおもしろいので、できれば、正統派で攻めて
もらいたいなって思います。
13_エンドロール 【鏑木 蓮】
孤独死した老人の人生を追う若者の物語。 その人の人生
には、いろいろな歴史があるのであって、その中には幸せな
出来事もあれば不幸な出来事もあるのであって、人生の最後
の一時点だけを単純に見て、その人が孤独であったとか、
不幸であったとか決めつけてはいけないのだと思い知らされ
ました。当たり前のことでですけど、孤独死した人は不幸と、
固定概念で見ていた自分に気づき、恥ずかしくなりました。
その人が幸せであったか不幸であったかは、その人自身が
決めるべきですよね。帯の宣伝のような感動は感じませんで
したが、読んでよかったなと思いました。
14-15_霧越邸殺人事件 【綾辻行人】
▲ 遠田志帆さんのイラスト。大好きです♪
霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)
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作者: 綾辻 行人
出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
発売日: 2014/03/25
メディア: 文庫
雪山の山荘のように、実質的な密室状態で起こる事件を
描いた推理小説は多く読者を魅了しますが、この作品の
舞台は、正に雪山の山荘で起こる事件を描いた作品です。
昔から読んでみたいと思っていた作品で、この度、全面
改定版が出され、私の好きな遠田さんのカバーイラストで
あることもあって、早速、手に取りました。昔、館シリーズに
はまって読んだことを思い出しました(読んでみて、「暗黒
館の殺人」を思い起こしました。もちろん、こちらのが先の
作品ですが)。
正直なところ、あとがきが興味深かったです。ホラー要素
が含まれているのは、単純に、作者の好みなのだとばかり
思っていたのですが、その裏に隠された理由に納得させら
れました。
16_珈琲屋の人々 【池永 陽】 (Link)
心に傷を抱えた人々を描いた心温まる物語でした。素敵
な作品なので、詳しくは、以前の記事をのぞいて見てネ!
17_サクラ咲く 【辻村深月】
3編とも、素敵な作品でしたが、特に、表題にもなった
2編目の「サクラ咲く」は、若者の微妙な心理をさわやか
に描いて素敵な作品でした。主人公の年代の頃、主人公
と同じように「自分を変えたい」という思いとか、恋とか、
友人関係とか、その頃に思い悩んだ青春期の微妙な心理
を思い出し共感しました。
3編のいずれにも言えますが、登場人物がみんなさわや
かで、人の嫌なところが描かれていないので、きれいすぎ
る感もありますが、そんなことにこだわらず、微妙な青春
を思い出し、さわやかな風を感じながら、心地よい読後感
を味わっていいと思います。こういう作品は大好きです。
― 5月 ―
18_私たちが星座を盗んだ理由 【北山猛邦】
▲ 片山若子さんのイラストは好きです。米澤穂信さん
の小市民シリーズなどでも見かけますよね!
私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)
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作者: 北山 猛邦
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2014/04/15
メディア: 文庫
1編目の「恋煩い」が好きかな。占いを信じることなど
バカげたことだと思いつつ、それにすがってしまう微妙な
恋心を瑞々しく描いた作品。っと思いきや、ラストに
急展開。意外な展開が待っていて、最後、作品の印象が
少し変わりました。短編で終わってしまうのがもったいな
いような作品。主人公以外の幼なじみの心理にも深く
踏み込んで、長編で読みたかったなと思いました。
おもしろかったです!
19_私という名の変奏曲 【連城三紀彦】
美人モデルが殺害される。彼女を殺したいと思っていた
者は7人。そして、7人全員が自分が彼女を殺したと思っ
ていた・・・。というお話し。 連城さんは初めて。そもそも、
連城さんという作家さんが推理小説的な作品を書くとは
知りませんでした(勝手に違う作風の印象でいて・・・^^;。
どうして、犯人が7人もいるの?どうして犯行方法が
同じなのか?なかなかおもしろかったです。
20_神去なあなあ日常 【三浦しをん】 (Link)
映画を観に行ってきたら、もう一度読みたくなって手に
取りました。改めて読んでみて、主人公の勇気が林業の
魅力に惹かれ、神去村に溶け込んでいく姿がとても心地
よい作品でした。読んだのは2度目だけど、あっという間
に読んでしまった!4年前の感想も是非読んでみてネ!!
21_神去なあなあ夜話 【三浦しをん】
かむさりなあなあの続編。6つの短編からなります。
勇気が村での出来事を綴っており、得に特別な出来事
があるわけではありませんが、まさに「なあなあ」の日常が
描かれて癒やされます。勇気と直紀(彼女)のなかなか
進展しない関係も描かれていて、その後が気になってい
た方は必読?かも。勇気本人は「器が小さい」と言ってい
ますが、なかなか彼は器が大きいですよね。
22-24_新世界より 【貴志裕介】
千年後の日本。科学技術の痕跡さえ消え去り、念動力
を得るに至った人々が暮らす世界。いつまでも続くと思っ
ていた平和な世界には隠された秘密が・・・というお話し。
秘密の一端に触れてしまった早紀たちはどうなるのか。
どうしてこんなにも世界は変わってしまったのか。主人公
たちの未来は・・・。上中下巻の大作でしたが、一気に読ん
でしまいました。実は読み終わってから知ったのですが、
第29回SF大賞受賞作だそうです。納得!
― 6月 ―
25_万能鑑定士Qの事件簿Ⅸ 【松岡圭祐】
正直なところ、このシリーズは第1作を読んで、それ以上、
読むつもりはありませんでした(人気シリーズですが、私の
好みかというと微妙なところもあったもので・・・)。今回、
映画を観たので、原作を読んでみたところです。
結論から言うと、第1作のときと印象が異なり、なかなか
おもしろかったです。映画と違って、筋道が立っていて謎
解きに説得力がありましたし、映画でイメージが湧きやす
かったのかな。
26_All You Need Kill 【桜坂 洋】 (Link)
細かいことを言うと展開に物足りないところもありましたが、
発想がおもしろいストーリーだと思います。詳しくは、以前の
記事を覗いて見てネ!
27_刻まれない明日 【三崎亜記】(Link)
「失われた町」のアナザーバージョンのような作品。三崎
作品らしい心地よい余韻が残る作品です。詳しくは、以前
の記事を覗いて見てネ!
28_美月の残香 【上田早夕里】
出張先で入った書店に上田さんの作品のコーナーが設け
てあって、手にとってみました。読むのは初めての作家さん
です(ファンの方すみません。初めて知りました ^^;)。
新婚の双子の姉・美月が、突然、謎の失踪。美月の妹・
遙花は美月の夫から、美月を感じたいと、美月が残した
特別な香水をつけることを迫られ・・・というストーリー。
美月の夫の異常行動への葛藤など、遙花の複雑な内面が
描かれていてまあまあ良かったのですが、肝心の遙花の
美月の夫に対する心情(同情?愛情?)がどうなのか良く
理解できなくて、そういう意味で少々、消化不良気味でした。
私の読解力不足かな?
29_吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる 【野村美月】
▲ 吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる(1) (ファミ通文庫)
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作者: 野村美月
出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
発売日: 2014/05/30
メディア: 文庫
美人だけど自分の魅力に気づいていない女の子と、吸血鬼
になってしまった男の子のラブストーリー。主人公は、自分
の境遇が受け入れられなくて、いろいろなことにうじうじ後悔
しながら、こうして行くしかないんだと前向きに成長していく
っというところは、まさに文学少女シリーズと同じパターンの
ようにも感じますが、私的には、こういう展開の物語は大好き
です!竹岡美穂さんのイラストは、相変わらず素敵♪
30_探偵はバーにいる 【東 直己】
映画でも話題となった作品。東さんも読むのは初めての
作家さんです。決していきがらず(強がって自分を大きく見せ
ず)、難解な依頼も頭脳を使ってスマートに処理し、例え殴ら
れて体中が痛くてもその姿を他人には見せずにクールに決め
て、そして、実は、本質はやさしいという、カッコいい主人公
です。おもしろかったです。
既に8月も下旬。7月以降も、なかなか私好みの作品と出逢えて
います。特に気に入った作品は、いままでどおり紹介していきます
ので、こうご期待!
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