出逢った小説リスト 【2020年1月-3月編】 [読んだ作品リスト]
2020年(令和2年)の1~3月に出逢った小説たちです♪
読んだ作品のリストを載せるのも2016年以来ですので、
3年の空白となりました。読んでいる作品数は全く増えてい
ませんが(というか、少ない・・・^^;)、例え数冊でも載せ
ていきたいです。
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01_その可能性はすでに考えた 【井上真偽】
▲ その可能性はすでに考えた (講談社文庫)
( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
作者: 井上 真偽
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2018/02/15
メディア: 文庫
「恩田陸氏、麻耶雄嵩氏、辻真先氏、評論家諸氏から大絶賛」
という紹介に非常に期待して読んでみました。
過去に発生した事件の「あらゆる可能性を否定していく」と
いう目新しさと、ストーリーも非常に緻密に練られている意欲
作だと思います。
ただ、事件は過去に発生したものなので、事件の可能性を
検討していくのみで新たな展開はなく、次へ次へと読み進め
たいという感じにはならなかったです。また、物語の主な視点
となる「フーリン」が、裏社会の残虐非情な女性であるにも
かかわらず非常に些細なことにアタフタしているなど、全体的
に登場人物たちが軽くて、登場人物の設定を誤ったのでは?と
感じるところも(すみません、個人的な好みの問題かもしれま
せんが・・・)。
しかし、この作品だけの印象ですが、工夫を凝らす作家さん
のようですし、次の作品も評判がいいようですので期待して
読んでみようかな♪
02_ラストレター 【岩井 俊二】
▲ 映画公開前の帯。映画公開時には全面に映画カバーがか
けられていました。
ラストレター (文春文庫)
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作者: 俊二, 岩井
出版社/メーカー: 文藝春秋
発売日: 2019/09/03
メディア: 文庫
映画で感じた初恋のせつなさ、取り戻せない青春の日々と
いった感動をもう一度ゆっくり、たどって味わいたくて買い
ました。
基本的にストーリーは同じですが、細かな設定は違ってい
ますし、何より違うのは、映画はその人物の心情を言葉では
なく、俳優さんの表情や間などで伝えてくるため、受け手側
の理解力が足らずに登場人物の心情を十分に理解できないと
きがありますが、小説は心情を言葉にして明確に伝えてくる
ので、映画で消化不良だった心情がより理解することができ
ました。映画を補完する意味で、映画を観てから読んで良かっ
たです。映画の感動を追体験できました。
03_カラヴィンカ 【遠田 潤子】
▲ カラヴィンカ (角川文庫)
( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
作者: 遠田 潤子
出版社/メーカー: KADOKAWA
発売日: 2017/10/25
メディア: 文庫
重い!でも、やみつきになる! 遠田潤子さんの作品は、
そんな印象です。そして、読むには気力も必要ですが ^^;
もう少し詳しくは、こちらをご覧いただけると嬉しいで
す♪ 特にラストは丁寧に読んで、物語の余韻を味わっていた
だきたい、そんな作品です。
04_TENGU 【柴田 哲孝】
▲ TENGU (双葉文庫)
( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
作者: 柴田 哲孝
出版社/メーカー: 双葉社
発売日: 2020/02/13
メディア: 文庫
読んたことのない作家さんの作品を読みたかったこと、
魅力的なカバーに惹かれたこと、
「究極のミステリー ✕ 極限の恋愛小説」
という帯が気になったことから読んでみました。
26年前に群馬県の寒村で発生した連続殺人事件。当時、
新米記者として事件に関わった道平は、長い歳月を経て真相
を追い始める…というストーリー。
26年前にいったい何が起こっていたのか?事件の全貌が
明らかにされるまでの展開は、正にミステリーとして惹き
つけられました。ただ、私的には、真相はあまり・・。
たぶん好みの差でしょうが。
カラヴィンカ 【遠田潤子】 [最近の素敵な本の棚]
遠田潤子さんの作品は
気力が充実しているときでないと読めない。
「アンチェルの蝶」を読んだとき、その喪失と再生の物語に、
とても魅了され感動する一方、ストーリーの重さに読後ぐったり
として、こう思いました。そんな訳で、遠田さんの代表作とも
言われる「雪の鉄樹」も発売直後にすぐ入手しながら、まだ読ま
ず(読めず)・・・。でも、この作品は、本屋さんで手に取って、
出だしを数行を読んだだけで惹き込まれてしまい、気力などと
考えることなく買いました。
▲ 赤く染まった羽根が、カラヴィンカを象徴してます☆
カラヴィンカ (角川文庫)
- ( ↑ amazonへは、タイトルをクリックしてネ!)
作者: 遠田 潤子 - 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/10/25
- メディア: 文庫
「・・・多聞?」
深夜に青鹿多聞に掛かってきた電話の声。高音と低音が重なり
合って、こすれて震えた。歌っていなくても、歌っているように
聞こえる。そんな実菓子の声だった。 歌詞のない旋律を母音のみ
で歌う「ヴォカリーズ」として絶大な人気を誇る歌手・実菓子。
「この女は最低だ。惑わされるな」
彼女との関わりを絶とうと自分に言い聞かせる多聞に持ち込ま
れた仕事は、その彼女の自伝のインタビューだった。幼い頃から
一緒に育ち、義理の弟であり、実菓子のバックギタリストでも
あった多聞。次第に、実菓子、多聞の兄・不動、そして多聞を
めぐる過去の哀しい出来事が明らかになっていく・・・。
【ラストの余韻を味わって欲しい作品】
「私には言葉がない」
実菓子にはなぜ言葉がないのか。多聞はなぜここまで激しく
実菓子を憎むのか。過去をたどる中で、隠された想い、哀しみ
が次第に明らかになっていき、そして・・・。
の、そして不動のそれぞれの想い、刹那さがじわりじわりと染み
込んでくるような作品でした。特にラストは丁寧に読んで、物語
の余韻をじっくりと味わっていただきたいです (*^-')vイイ!。
改題前のタイトルは「鳴いて血を吐く」。まさに、そんな印象
の物語です。
【+plus】
タイトルの「カラヴィンカ」(迦陵頻伽・かりょうびんが)とは、
上半身が人で、下半身が鳥の仏教における想像上の生き物。殻の中に
いる時から鳴き出し、極楽浄土に住むとされており、その声は非常に
美しく、仏の声を形容するのに用いられるそうです。