All You Need Is Kill 【桜坂 洋】 [ライトノベルの棚]
ハリウッド映画“ Edge Of Tomorrow ”(邦題は原作と同じ)
の原作。
トム・クルーズが主演のハリウッド超大作(?)の原作が日本の
ライトノベルというのを知って以来、ずっと読んでみたいと思って
いました。なかなかでしたよ(*^-')b
▲ All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)
( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ! )
作者: 桜坂 洋
出版社/メーカー: 集英社
発売日: 2004/12/18
メディア: 文庫
【 story 】
訓練校を出たばかりの初年兵・キリヤ・ケイジ。
ぶくぶくに膨らんだカエルの溺死体が立ちあがったような敵・
ギタイ。
初出撃で多々の後悔の中、終わった人生・・・。
しかし、気がつくと出撃の1日前に戻っていた。
繰り返される出撃と死。ループを繰り返す中、ケイジは
「この今日」の経験値を上げて、何も変わらない毎日を変えて
いこうと決意する。
繰り返されるループから抜け出せないまま158回目を数え
たとき、時間が動き始める・・・。
【 魅力的な設定! 】
なぜ、謎のループは繰り返されるのか?
ループするのはなぜケイジなのか?
そして、ループから抜け出す方法はあるのか?
謎、そして、繰り返される「この今日」の中で、この世界にどう
反抗するか、といったケイジの抵抗がおもしろい。
初年兵なのに、歴戦の強者のように活躍する姿なんて、
ヒーローっぽくて、映画にぴったりですよね。
映画の原作として使いたくなる理由がなんとなく分かりました。
物語的には、ヒロイン・リタとの関係が恋愛なのか、それとも
共感なのか、そして、リタとケイジがお互いに抱いていた思い
はどのようなものだったのかなど、もう少し踏み込んで描か
れれば、なおさら深くて魅力的な物語になるだろうなって思い
ました。
そう言う意味で、設定というか素材がいいだけに、ちょっと
物語の深味が足りなくてもったいない感じ。
でも、それらを差し引いても、なかなかおもしろい作品だと思い
ます。
【 +plus 】
映画は、2014年7月4日(金)から公開!
さてさて映画は設定だけ使用しただけのオリジナルなのか、
それとも原作を生かしたものかのか、そういう意味でも楽しみ
です ^^!
とある飛空士への追憶 【犬村小六】 [ライトノベルの棚]
ライトノベルの人気作「とある魔術の禁書目録」と似た「とある・・・」
というタイトルに、根拠もなく二番煎じのような先入観を持って
しまったところに、カバーイラストが自分の好みではなかったことも
あって、ほとんどノーチェックの作品でした。
ところが、この秋に映画が公開されたとき(見逃してしまいましたが)、
かなり原作の評判がいいということを聞き、手にとってみました。
とある飛空士への追憶 (←amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
作者: 犬村 小六
出版社/メーカー: 小学館
発売日: 2011/08/09
メディア: 単行本
▲ ガガガ文庫より、新装版のカバーの方が好みだったので。
ちなみに、この新装版は文庫版から大幅な改編がされていて、
ファナのその後なども少し描かれているそう。
【 story 】
飛空機の圧倒的性能差により、帝政天ツ上に制空権を掌握され、
陸の孤島と化した神聖レヴァーム皇国サン・マルティリア。
ある日、傭兵飛空士シャルルは、耳を疑うような命令を受ける。
それは、皇子の許嫁(いいなずけ)ファナを乗せ、中央海を単機
敵中翔破し、本国へ送り届けよというものだった。
「光芒五里に及ぶ」とたたえられる美しさの少女・ファナを乗せ
飛び立つシャルル。
しかし、極秘であったはずのその作戦は敵国に筒抜けだった。
圧倒的性能を有する敵国戦闘機・真電がシャルルとファナの
複座式水上偵察機サンタ・クルスに襲いかかる!
果たしてシャルルとファナは本国にたどり着くことはできるのか・・・
【 シンプルに描かれたピュアな物語 】
ストーリー的には、身分を超えたふたりを描くピュアなラブストーリー。
一つ屋根の下ならぬ一つ飛空機で共に困難を乗り越えていく間に
絆が深まり、そして・・・というところはラブストーリーの“定番過ぎ”という
感じもしなくはありませんが、その定番を変に小細工せずに、シンプルに
正面から描かれた爽やかな作品でした。
ファナのためになら、どんな困難も乗り切ってみせる、そんな主人公の
想いに、自分も恋したときの気持を想い出して、ほんわかと温かく、
ちょっと胸がチクンとしてしまいました。
※ この先はネタバレしているので御注意を!
ちょっと(ホントにちょっとだけ)残念だったのは、主人公が賤民意識が
強すぎて、ファナとの恋が成就しないであろうことが先読みできて
しまったこと。成就しないことは同じだとしても、燃え上がる恋の中、
二人を取り巻く様々な事情が別々の人生を歩むことを選択せざる
得なかった・・・という感じであれば、もっと物語に深みが出たと思うの
ですけど(まあ、これも定番ではありますが・・・^^;)。
ところで、先入観のあった「とある」というタイトル。読んでみると
「歴史の表に表れることのなかった名もない飛空士の物語」
という意味で、物語に非常にぴったり。シャルルとファナの物語は
一区切りついてしまいましたが、この世界を舞台にした別の物語も
あるようなので、是非読んでみたいです。
爽やかで、さらりとしたピュア物語を読みたい方にはお薦めですヨ。
【 +plus 】
華鬼 【梨沙】 [ライトノベルの棚]
一時期、本屋さんに行くと、入口の目立つ場所にたくさん並べられていた
この作品 『華鬼(はなおに)』。
「可愛いイラスト」や「鬼」って伝奇的なところに、何となく惹きつけられて
気になっていたのですが、手に取る勇気がなくて。
だって、イラストが可愛すぎるでしょ!?
なので、毎回、通るたびに、「チラッ!チラっ!」と横目で見ていました・・・
^^;ははは
華鬼
作者: 梨沙
出版社/メーカー: イースト・プレス
発売日: 2007/08/01
メディア: 単行本(ソフトカバー)
▲ イラストの「カズキヨネ」さんは、「薄桜鬼」のイラストレーターさん
だったんですネ。可愛いと思った! ∑ヾ( ̄0 ̄;ノオオ!
【 story 】
“ 鬼の花嫁 ” の刻印を胸に持つ少女・朝霧神無(あさぎりかんな)。
彼女のそれまでの人生は、剥きだしの敵意から心を閉ざさねばならぬほど、
苦痛を内包した日々だった。
そんな彼女が迎えた16歳の誕生日。
神無は一人の男の出迎えにより、連れ去られるようにして、ある学園へと
連れてこられる。
そこは、多くの鬼とその花嫁たちが半ば幽閉されるようにして生活する
学園であった。
― 本来鬼は、自分の印のある花嫁を無条件で守り、愛する生き物 ―
しかし、神無の前に現れたのは、美しく、冷酷で、彼女へ殺意さえ抱いている
鬼の頭、「華鬼(かき)」だった・・・。
【 「運命の恋」の物語なのか?? 】
「鬼と少女の運命の恋」みたいなお話かな?って想像しながら読み始めた
ところ、華鬼(かき)の神無(かんな)に対する徹底した冷たい態度に、
予想外の展開って感じです。
はてさて、どうなるのか!
この第1作は、まだプロローグという感じなので、今後、どのような展開に
なっていくかは分かりませんが、ラスト近くには少しだけ方向性も・・・。
それがどんな感じかは、これから読む方がドキドキできなくなってしまうので
書きませんど、薄幸の少女・神無には幸せになって欲しいな ♪
ところでこの作品、ラブストーリーとか伝奇的なところだけが魅力だけじゃなくて、
花嫁を無条件に守る「庇護翼」というナイト(鬼だけど)が存在したり、
「美貌」の鬼がたくさん登場して女の子に魅力的な作品かも。
一方で、神無みたいな子は男が「守りたい!」と思わせる女の子で、
男の子にも好まれそう☆
ちなみに、男の子を卒業した私もこういう感じって、だ~い好き *^^*
【 +plus 】
この作品、映画化もされたているんですよネ(観ていないけど)。
ところで、冒頭に書いたとおり、カワイすぎるイラストに恥ずかしくて手にも
取れなかったこの作品をどうやって?読んだかというと・・・
図書館で借りました☆
もちろん、この小説を借りようと思って図書館に行ったのではなくて、
ただ、惹かれる本はないかな~って本棚を眺めていたら、この作品
が目に飛び込んで来たんです!(ホント飛び込んできました)
もー、これは借りるしかないと!!
でも、ちょっと(かなり)、恥ずかしかったです (;^_^A ハハ
涼宮ハルヒの憂鬱 【谷川 流】 [ライトノベルの棚]
この「涼宮ハルヒの憂鬱」は2年くらい前に読んでいたのですが、
映画が気に入ったこともあって、改めて読み直してみました。
2年前に読んだときも「おもしろい」という印象はありましたが、
そのときは、このblogに載せたいと思うほど気に入った訳でも
なかったんですよね。
(なので、第2作目以降も読んでいなかったんです・・・^^;)。
でもでも、今回読み直してみると、映画のおかげでイメージが沸き
やすかったからか、登場人物の会話はすんなり頭に入っていて
おもしろいし、
「あーなるほど!こんなところに伏線が張られているんだ」
といった新たな発見もあって、すごーく、おもしろかったです☆
涼宮ハルヒの憂鬱 (角川スニーカー文庫)
作者: 谷川 流
出版社/メーカー: 角川書店
発売日: 2003/06
メディア: 文庫
▲ 2010年夏までの予定で「パノラマカバー」になってるよ!
(第1巻と第2巻を並べたところ)
帯袖の応募券9枚で「超巨大クリアポスター」が全員
プレゼントなんだって!詳しくは ここ をクリックね!!
【 story 】
入学式直後のクラス自己紹介。キョンは後ろの席から涼やかな声を聞いた。
しかし、それは驚くべきあいさつだった・・・。
「ただの人間には興味ありません。宇宙人、未来人、超能力者がいたら、
あたしのところに来なさい。以上」。
一瞬にしてクラス全員のハートをいろんな意味でキャッチした涼宮ハルヒ。
退屈な日常にあきたらず、マシな部活動がないと嘆いていた彼女は、
「ないんだったら自分でつくればいいのよ!」
と、“世界を大いに盛り上げるための涼宮ハルヒの団”(通称SOS団)
なる訳のわからないクラブを発足した。
そんな彼女に巻き込まれたのが、クラスメイトのキョン。
そして、部室の片隅で読書にふける少女・長門有希。SOS団のマスコットに
して萌え担当・朝比奈みくる。そしてそして、謎の転校生・古泉一樹。
だが、実はキョン以外の3人には、秘密があった・・・。
【 突っ込みが最高! 】
そういえば、この作品の読む前のイメージは、
「わがまま娘が学校内を引っかき回すハチャメチャコメディ」
的なイメージがあったのですが、それがまったくのハズレではないにしても、
この作品の魅力はそれだけじゃないですネ。
この作品の一番の魅力は、ハルヒのハチャメチャぶりも楽しいけれど、
何といってもキョンくんの「心の中の冷静な突っ込み!」。
彼の淡々とした突っ込み、これが最高!('-^*)b
そして、ハルヒに振り回されながら、世界の片隅で、世界を守るため(?)
健気に活動するSOS団の面々が楽して、どんどん惹き込まれてしまい
ました。
さてさて、このシリーズは、まだ第1作しか読んでいないので、もっと魅力が
たくさんあるのでしょう。
もっと続編を続けて読みたい気持もあるけど、とりあえず重い作品を読んだ
後などに、一作づつ、大切に楽しんでいきたいと思っています。
っというか、楽しそうな続編が後に控えていて、まだまだ楽しめるかと思うと
ホントうれしいでーす☆
“文学少女” と神に臨む作家【野村美月】 [ライトノベルの棚]
以前にも書いたことがありますが、終わってしまうのがすごくさみしいなぁって
思うシリーズってありますよネ。
「もっとこの世界にひたっていたいなぁ」とか、
「もっと登場人物たちの微妙な関係を楽しみたいなぁ」とか。
僕にとって、この「文学少女」シリーズもそのひとつ。
物語は苦いところもあるけど、野村美月さんのストーリーの巧みさと、
竹岡美穂さんのイラストの魅力が相まって、全体がさかわやかな雰囲気で
大好きです!
ですから、最終話が気になりつつ、でも、下巻が出る前に上巻を読み始めると
先が気になって困るかなと思って、実は下巻が出るまで待ってました。
なのに、上巻を読みおわっても、下巻を読み始めるのを我慢したりして…
(我ながら苦笑)
そして、ある休日に満を持して(あきらめて)下巻を読み始めました。
飲み物を頭の上に置き、ベッドに寝転がって、作品だけに集中できるようにして…
(僕の最高の読書姿勢です(^^; )
▼▼竹岡美穂さんのイラスト集が出ないかなぁって常々思っていたら、ついに!▼▼
“文学少女”の追想画廊【ガレリア・デ・アール】
野村美月+竹岡美穂 予価2520円[本体2400円+税5%]
2008年12月15日(月)発売予定
ちょっと高いけど絶対買うぞ~!
“文学少女”と神に臨む作家 上 (ファミ通文庫 の 2-6-7)
- 作者: 野村 美月
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/04/28
- メディア: 文庫
“文学少女” と神に臨む作家 下 (ファミ通文庫 の 2-6-8)
- 作者: 野村 美月
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2008/08/30
- メディア: 文庫
▲遠子先輩のやさしいく明るくほほえんでいる表情がいいですね。
青紫を基調とした色づかいもとても好きです。
2月。放課後の文芸部では、いつもと変わぬ穏やかな時が流れているようだった。
「わたしは天野遠子。ご覧のとおりの“文学少女”よ」
そう名乗る不思議な少女との出会いから2年。
物語を食べちゃうくらい愛する“文学少女”に導かれ、心葉は,様々なことを乗り越えてきた。
いつも励ましてくれた遠子先輩の存在。
その遠子の卒業を間近にして、遠子とのたおやかな時間が失われることに、心乱れる心葉。
一方、遠子は、次第と別れの準備を始めていた・・・。
小説をもう一度書いて―。
ある日、もう小説は書かないと心に誓う心葉の気持ちを十分知るはずの遠子から出た突然の言葉。
愕然とする心葉を、さらに遠子のいとこ、流人が翻弄する。
「天野遠子は消えてしまう」
「天野遠子を知ってください」
遠子に秘められた謎とは?
遠子は、心葉から永遠に姿を消してしまうのか!?
【 最終章 】
今回の物語は、まさに「天野遠子」のお話です。
遠子が、なぜ心葉に小説を書いて欲しいと願うのか・・・。
遠子の抱える秘密とは・・・。
そして、遠子は、心葉の前から永遠に姿を消してしまうのか!?
展開が気になって、気になって、読むのをやめられませんでした。
そして、そして、心葉と遠子と琴吹さんとの恋の行方。
こちらも展開が気になって、気になって、読むのがやめらず・・・。
いや~、やきもきしたぁ。
でも、ラストは、靄(もや)が流れ去り、明るくやさしい、澄み切った光が差し込んできた
ような印象。
とても気持ちいいラストでした。
前作「“文学少女”と月花を孕く水妖」に描かれていた謎(そんな大げさでもないか!)
も明らかになって!
それにしても、この物語の魅力は、明るく、ちょっと無鉄砲で強引だけど、その内側にある、
繊細で、自分より他人を思いやってしまう「遠子」の存在。
強引さも、遠子のやさしさによるもので、そんな控えめなやさしさが可愛いくて魅力ですね。
この最終章でも、存分に遠子の魅力が発揮されてます。
それにしても、どちらかというと琴吹さん派だった僕。
ああいう不器用な、でも、一途の女の子も魅力的だけど、最後は、遠子さんのやさしさに
魅了されました。
そして心葉くん!
流人くんの切れ方より、心葉くんの優柔不断が男の僕から見ていて・・・!
僕が心葉くんの立場だったら・・・(あっ,そんな夢のような立場はあり得ないから心配しなくて
いっかぁ(涙))
でも,最後は頑張ったネ。
【 +plus 】
お~と,本編は終わっちゃったけど
“文学少女”と恋する挿話集【エピソード】1
が、2008年12月26日(金)に発売予定だって!
また、“文学少女”と会えるなんてうれしい!!
詳しくは、エンターブレーンのホームページで確認してね。
あと、竹岡美穂さんのイラストイメージの本が読みたくなって、「黄昏色の詠使い」シリーズも
読み始めました。
今、シリーズ第2話を読み終わったところ。なかなかおもしろいヨ。
でも、イラスト的には“文学少女”の方が素敵かな!
"文学少女"と死にたがりの道化(ピエロ)【野村美月】 [ライトノベルの棚]
【 Episode 】
最初に目を惹いたのは、竹岡美穂さんのイラスト!
すごくかわいい。竹岡美穂さんのHPにリンク貼っちゃお!
まあ、まずは御覧あれ!
グリーン(とは言っても、ちょっと青がはいった落ち着いた色合い)を基調とした
やさしい色使いが多くて、とても心穏やかにさせてくれるイラストです。
▲ パイプ椅子の上に、ちょこんと体育座りしている「遠子先輩」
そうは言っても、イラストだけで本は選びません!10年前だったら別でしょうが…。
やっぱり僕は「本が大好き」だから、「文学少女」っていう言葉に魅かれたのと、
「このライトノベルがすごい!2008」
2年連続 ベスト10入り
の帯に踊りました・・・じゃなく、踊らされちゃいました(笑)
【 さてさて、お話は・・・!? 】
「どうかあたしの恋を叶えてください!」
平穏と平凡をこよなく愛する“ただの男子高校生”井上心葉(このは)。
そして、本を破って本当に食べちゃうくらい文学を深く愛している
“文学少女”天野遠子(とおこ)。
「遠子先輩」と「ぼく」の2人だけの文芸部に武田千愛(ちあ)ちゃんが持ち込んだ依頼は・・・。
それは、単なる恋文の代筆のはずだったが…。
【 単純に次の作品が読みたくなりました! 】
さて、主人公の心葉くん。実は心に傷を持つナイーブな少年。
とてもやさしくて、さわやかな男の子です。
そして、もう一人の主人公?『文学少女』 ―遠子先輩。
こよなく文学を愛し、愛しすぎちゃて、小説を「むしゃむしゃ」と
食べちゃうという奇行の美少女です。
最初、小説を食べちゃうっという設定に引きかけたけど、
読み進むにつれて気にならなくなりました。
遠子先輩も、とてもやさしい女の子です。
主人公の2人がやさしいからか、物語も全体的にやさしい雰囲気!
内容はちょっと苦いところもあるけれど、ほんわか~と楽しめました。
なので、ちょっとほんわか~して、あまりドキドキしたり、考えたりせずに、
小説を気軽に楽しみたい人にはお薦めです!
本当、楽しく読めて、続編が読みたくなっちゃいました。
【 +plus 】
さっそく、第2弾 『“文学少女”と飢え乾く幽霊(ゴースト)』を買ってきちゃいました。
しばらくシリーズを読むことになりそうです(笑)
”文学少女”と飢え渇く幽霊 (ファミ通文庫)
作者: 野村 美月
出版社/メーカー: エンターブレイン
発売日: 2006/08/30
メディア: 文庫
マリア様がみてる【今野緒雪】 [ライトノベルの棚]
「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
マリア様のお庭に集う乙女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、
背の高い門をくぐり抜けていく。
穢れを知らない心身を包むのは、深い色の制服。
スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻らせないように、
ゆっくり歩くのがここでのたしなみ。もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、
はしたない生徒など存在していようはずもない。
私立リリアン女学園。
明治三十四年創立のこの学園は、もとは華族の令嬢のためにつくられたという、
伝統あるカトリック系お嬢さま学校である。
東京都下。武蔵野の面影を未だに残している緑の多いこの地区で、
神に見守られ、幼稚舎から大学までの一貫教育が受けられる乙女の園。
時代は移り変わり、元号が明治から三回も改まった平成の今日でさえ、
十八年通い続ければ温室育ちの純粋培養お嬢様が箱入りで出荷される、
という仕組みが未だ残っている貴重な学園である。
で始まる「マリア様がみてる」。
物語は、舞台は東京都下武蔵野の丘の上にそびえる、伝統あるカトリック系の
私立リリアン女学園の高等部。
代々、特別厳しい校則が無くとても、規律正しい学園生活を送れるように、
先輩と後輩が「姉妹」としての契りを結び、リリアンの生徒としてふさわしい
振る舞いをするよう指導する、「スール」(姉妹の意のフランス語)という
制度が存在している。
平凡な一年生・福沢祐巳(ふくざわ ゆみ)は、全校生徒から慕われ、
遠くから憧れるしかなかった「紅薔薇のつぼみ(ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン)」こと、
二年生の小笠原祥子(おがさわら さちこ)から、「妹」になるよう求められたことから・・・。
【 やさしくて、安心できる作品 】
「ごきげんよう」?、「お姉さまぁ」?、コバルト文庫?
(※コバルト文庫の関係者さまスミマセン)
っとそれだけで判断しないように。
あなどるなかれ、いいんです。おもしろいです。
そして、全編にやさしさに満ちているんです。
だから、癒される(あまり秋葉系はイメージしないでください)。
ストーリーは「お約束」の方向に進むときもあるけれど、
「お約束」って気持ちいいんですよね。
時代劇と同じで安心してられる。
しかも、「マリア様がみてる」はいい方向!大団円。
そして、「ほ~」とか「うん、うん、そうだよね」と感じさせてくれることも、
意外と(※今野さんスミマセン)さりげなく書かれている。
たとえば、最近読んだ中で、下級生とのトラブルを助けてくれたクラスメートに対して、
「蔦子さん」
祐巳は、並んで歩いていた足を止めた。
「何?」
「ありがとう。助かった」
ちゃんと感謝の気持ちを伝えなくちゃ、と思ったのだ。
言葉で言わなくても分かり合えるという仲、というのも確かにあるけれど、
言葉にできる時は横着しないで口に出していったほうがいい。
だってこっちが一生懸命念力を飛ばしているのに、
もしかしたら相手の受信機の電源が入っていないかもしれないし。
逆に、発信装置が壊れていて、伝えたつもりのものが届いていないことだってあると思う。
っというくだりなど。
生活していて、自分ではなんとなく伝わっているだろうとお礼を省略してしまうこともあるけど、
逆に、自分のことは棚に上げて、あの人はお礼もいえないのかなぁ、
なんて思ってしまうときもある。
こういう、なんとなく曖昧にしてしまっていることについて、
今野さんの文章はさりげなく感じさせてくれて、そして、決して押し付けがましくもないのです。
まずは、なんにしても読んでみて。後悔しないから。
【 どうでもいいんだけど・・・ 】
「マリみて」(※ファンはこういっているらしい)を知ったのは、何年か前の深夜。
仕事から帰ってきて、一息ついてテレビをつけたらやっていました。
ファンの方には申し訳ないけど、山百合会(生徒会のこと)とか、
「おねーさまぁ」とか、深夜の時間帯の放送に、もしかして・・・そっち方面のお話?
と引いてしまいましたが、ほかに見たい番組もなくなんとなく見ていました。
結果は・・・。おもしろいです。
そして、ついに昨年から買い始めました。シリーズ。
さすがに、書店で買うのは恥ずかしいのでネットで買っています
(だって、コバルト文庫なんだものネ。
っといっても待ちきれずに2、3回買いに行きましたが・・・(^^; )
いい時代になったものだ~と思うこのごろです。
「ひびき玲音」さんのイラストもいいよね。
かわいいし!ひびきさんのコメントもある。
私も買ってしまいました。安いしお勧めだよ!