花の下にて春死なむ【北森 鴻】 [最近の素敵な本の棚]
【 ど~でもいいお知らせ! 】
このたびブログのタイトルを
『小説・画集がだ~い好き(*^^*)』から『小説・映画がだ~い好き(*^^*)』
に変更しました。
なぜって?
画集について、一度も書いてないんです(^^;
いろいろ書こうとするからかもしれませんが、その絵が「どんなところが好きか」、
ぜんぜん書けなくて・・・。
好きで持っている画集もたくさんあるんですけど・・・。
それで、もともと大好きな映画について語ろうと。
っというか、すでにたくさん勝手なことを語りまくっていますが・・・。
でもでも、画集についてもいつか書きたいな、と思っています。
これまでこのブログには、過去に読んで、一過性の感動や評価ではなく、
何年経ってもいいと思った作品を紹介してきました。
でも、読んだその時の自分の価値観、考え方に合って感動したりする作品もあります。
何年か経って「いい」と思うかは分かりませんが、
ブログ名の変更に併せて『最近の素敵な本』というカテゴリーを増やし、
『現在』の時点でよかった、と感じた作品についても素直な感想を書いて
紹介していきたいと思います。
よろしかったら購入の参考にしてくださいネ。
★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★
その『最近の素敵な本』の第1弾が
北森鴻の「花の下にて春死なむ」です。
【 お話は・・・? 】
渋谷から東急・田園都市線で2つ目の駅「三軒茶屋」。
都心に近いながら下町の風情を残す街の、通りを一本外した細い路地にある
ビアバー「香菜里屋」。
ここを訪れる者は、たとえ初めてであっても、
マスターの人柄にその居心地の良さを覚え、最高のご馳走に心やすまる。
そのビアバー「香菜里屋」のマスター・工藤哲也が、
お客たちが抱える謎をやさしく、あたたかく解き明かす物語。
「香菜里屋シリーズ」の第1作目です。
きっかけは・・・、「北森鴻が売れている!」っという「赤い帯」でした。
出版社の戦略にもろ乗っているのかもしれませんね。
単純といえば単純です。
でも・・・
自分が読んだことのない作家の作品を探していたところだった。
ちょっと心あたたまる話が読みたかった。
そんな気分のときに、北森鴻の本が気になってしょうがなかったのです。
本との出会いってこんなものか、っとも思います。
そして、それは、とても素敵な出会いでした。
この「香菜里屋シリーズ」は、マスター・工藤哲也がだす料理の数々が
魅力の一つといわれています。
でも、私はそれ以上に、工藤の優しさ、あたたかさ、といった人間の魅力が、
時に疑り、憎み、疑心暗鬼に陥る人を心をやわらかく解きほぐしてくれているところ、
そこが最大の魅力のように感じます。
読み終わって、自分がやさしくなれる、そんな読後感がある作品だと思います。
「ほろ苦くて美味しい、だからこそせつないミステリー!」
「赤い帯」に書かれたこの言葉。
まさにこの作品を言い表しています。
私は、読んでいるときは、「これでもか!これでもか!!」ときて、
読み終わったときの「満腹感」が大好きです。
なので、短編物はあっさりしているからあまり・・・っと、
長編物を好む傾向にありましたが、
この作品を読んでみて短編物の無駄のないさっぱり感もなかなかと見直しました。
この『花の下にて春死なむ』は、
第52回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門受賞作ですから、
私の評価はともかく、読みやすい文体だし、読んでみて絶対に損はありませんよ。
【 シリーズの続編 】
ちなみに、私は立て続けにこのシリーズを読みました。
香菜里屋シリーズ第2作目「桜宵」
香菜里屋シリーズ第3作目「蛍坂」
もお薦めです。順番に読んで言ってくださいネ。
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