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悪漢刑事 【安達 瑶】 [最近読んでみた本の棚]

“ 悪漢刑事 ” と書いて “ わるデカ ” と読みます。
普段、警察物はあまり読まないのですが、シリーズにもなっていて
(祥伝社HPを見ると12作品!)人気なんだから面白いのかなっと
思って、手に取ってみました。
売りは「エロティック×警察」小説なので、最初、抵抗感がなかった
訳ではないですが、面白かったですヨ! 


  悪漢刑事.jpg
  ▲ エロティックなカバーですネ *^^*
       
悪漢刑事―長編サスペンス (祥伝社文庫 あ 18-4)
    ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
    作者: 安達 瑶
    出版社/メーカー: 祥伝社
    発売日: 2008/03/12
    メディア: 文庫

【 story 】

やくざと癒着し、女に執着する刑事・佐脇(さわき)。
刑事課でも敬遠されている佐脇に唯一、気軽に親しげに口をきき、
佐脇もその能力を認めていた部下の石井が、ダム湖において
水死体で発見された。
自殺として早々に処理をする警察。
その死に疑問をもち、真相を探ろうとする佐脇は罠にはめられ、
追われる身となってしまう。
佐脇は真相を探りつつ、警察上層部と対峙する・・・。

【 爽快・淫ら 】

アウトローの刑事が、可愛がっていた部下の死の真相を追ううち、
警察組織の闇を暴き出すという、悪く言うと、ありがちなストーリー。
正直、警察物は、“警察組織は悪”のような作品が多い印象で、
それが嫌なこともあって、普段、警察物をあまり読まないのですが、
この作品は面白かったです!
やくざも女性も喰いものにする、まあロクでもない刑事なんですが、
影に、やさしくて、正義感があるところが見え隠れするんですよね。
そんなアウトローの刑事が、バッサバッサと警察のエリート官僚を
切って、自分を貫いていくのが爽快なんでしょう。
ただ、こういう人は外野から見ていると楽しいですけど、もし、自分
の同僚だったら大変ですが・・・ ^^;

あと、なかなかキワドイというか、非常にsex描写が多いです。
アウトローな刑事だし、社会の暗部的なところも描くので(人にとって
性は切って切り離せないところもありますよネ)、そういうところも
描かれることになるのでしょうが、なかなかの描写です。
そういう描写が嫌いな人は、読むのは止めておいた方がいいかも
しれませんネ。 


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ドールズ -暗から来た少女- 【高橋克彦】 [最近読んでみた本の棚]

ドールズ -月下天使-(“ドールズ”シリーズの第4作)文庫版の
妖しい表紙を書店で見かけて以来、ずっと気になっていていた作品。
しかし、書店に寄るたびに探してもなかなか第1作を見つけることが
できず、たまに見つけても本が痛んでいたりして・・・(本は大切に
保管したいのでキレイなものがいいんです♪)。
この度、中公文庫刊(旧中央公論社時代の文庫なので、同社の
HPにも載っていないです!)を図書館で見つけて、贅沢を言ってい
ると読む機会がまた遠のく!!っと思い借りました。

  ドールズ1.jpg
  ▲ 中公文庫刊より角川文庫刊の方が妖しい雰囲気です!
    
ドールズ (角川文庫)
    ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ )
    作者: 高橋 克彦
    出版社/メーカー: 角川書店
    発売日: 1997/08
    メディア: 文庫

【 story 】

盛岡で喫茶店“ドールズ”を経営する月岡真司の7歳になる娘・怜(れい)
が、雪道で車にはねられ重傷を負った。
だが入院中の彼女は、深夜奇妙な行動をとり、人形に異常な執着心
をみせるなど、子どもとは思えない不可解な行動を次々とする。
怜の叔父・結城恒一郎は、人形作家の小夜島香雪(かゆき)とともに
その謎を探るが・・・ 。

【 ホラー小説なの?? 】

背表紙のあらすじを読んだときは、“何か”が少女に取り憑いて・・・
みたいな感じだったので、よくある話しのように、取り憑いた、悪意の
塊のような“何か”と超常的な攻防のような話しを漠然と想像していた
のですが、読んでみるとちょっと趣向が違っていて、怜(少女)に潜む
人格はいったい何者なのか?という謎解きの要素のが強く、読み
終わって振り返ってみると、あまりホラーを意識せずに、どちらかと
いうと推理小説の感覚で読んでいました。

また、歴史の表舞台には出てこない(教科書には載らない)江戸時代
の人形師たちの歴史について細かく触れていて、知る機会のほとんど
ない江戸時代の庶民文化についても、が興味深くて、おもしろかった
です(以前に読んだ、写楽殺人事件でも、当時の浮世絵界のことが
詳しく説明されていておもしろかったのを思い出しました)。
あまり不気味さがなくて、歴史物を読んでいるようなおもしろさや、
ちょっと捻った意外な展開で私的には気に入った作品!でも、純粋
なホラーを期待している方には、肩すかしになってしまうかもしれま
せんね。

【 plus+ 】

第1作が気に入ったので第2作を読もうとタイトルを調べていたら、
第2作の「ドールズ -闇から覗く顔-」以降は、趣がガラリと変わ
ってミステリ作品になるとの解説がありました。
私の印象も、もともとホラー色が薄くてミステリ要素が強いという
ものだったけど、ホラー色がもっと薄くなるのかな?
続刊を参考にご紹介しておくと、

  第2作:ドールズ -闇から覗く顔-
  第3作:ドールズ -闇から招く声-
  第4作:ドールズ -月下天使-
  第5作:ドールズ -最終章 夜の誘い-

だそうです。
第5作は2013年末に刊行されたばかりみたい。
さて、どんな結末が待っているのか。楽しみです。


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激流 【柴田よしき】 [最近読んでみた本の棚]

柴田よしきさんの作品は、以前「好きよ」を読んだことがあるだけ。
店頭でこの作品を見かけた際、“あらすじ”に魅かれるものはあり
ましたが、何せ重そうなストーリーだし、上下巻の肉厚な物語のよう
なので、いざ読むとなったら気合を入れて読まなければならないと
躊躇していました ^^;
このたび、NHKでドラマ化(2013年6月末から放送)されることを
知り、読んでみることにしました。

 激流上.jpg激流下.jpg
 ▲ 激流〈上〉 (徳間文庫)
   ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
   作者: 柴田 よしき
   出版社/メーカー: 徳間書店
   発売日: 2009/03/06
   メディア: 文庫

【 story 】

中学3年の修学旅行。2班は全員で7名。
副班長の長門悠樹は、知恩院に向かうバスに全員が乗ったのを
確かに確認した。しかし、その中の一人の女性徒、小野田冬葉が
バスから姿を消す・・・。
その日以来、冬葉の姿を見た者は誰もいなかった―。

20年後。メンバーはそれぞれが人生を懸命に生きていた。
そんなメンバーの一人、美弥に突然、送られてきた冬葉からのメール。
 「おひさしぶりです。わたしを憶えていますか?」
冬葉に導かれるように再会するメンバーたち。そして、次々と不可解な
出来事が起こり始める・・・。

【 二つの魅力 】

生きていて!と願いつつ、もう二度と会うことはないだろうと諦めて
いた冬葉。しかし・・・

“冬葉は生きているのか?”
“不可解な出来事は冬葉の仕業なのか、それとも他の誰かなのか?”

見え隠れする悪意。冬葉、それとも、冬葉を名乗る者は何が目的か?
見えない糸をたぐるように少しずつ真相に迫っていく。そんな、過去の
亡霊の正体を追うミステリーの楽しさがこの作品の一つ目の魅力!

もう一つの魅力は、人生の苦悩と再出発が描かれているところ。
主人公たちは35歳。それぞれが人生を歩み、それなりに社会的な
ポジションを確保し、自分の中に価値観を確立した年代。
そんな彼らが見えない敵からの悪意にさらされる中、20年の歳月
の重さ、中学時代の無垢・素直さを追想し、苦悩しながらも人生と
向き合う。そして、真実を探るうちに、自分の人生を見つめ直し、
そして新たな一歩を歩み出す。
決して後味の良いばかりではないけど、こういう前向きな物語って
大好きです。

読み応えがある作品。私的にはお薦めです(*^-')bイイヨ!

 


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四畳半神話体系【森見登美彦】 [最近読んでみた本の棚]

かなり以前から評判がいいのは知っていて、気になって店頭で何度も
手に取っていた作品
(私の場合、“手に取っていただけ”っというこのパターンが意外と多い
んですけどネ・・・ ^^;ハハハ
でも、実際に読む気になったのは、深夜に放送中のアニメを見て。
知っている方はイメージが沸くと思いますけど、あの淡々と冷静、かつ、
人生を達観したかのように早口で語る口調が、いい味を出しています
よネぇ (o^-')b

四畳半神話体系.jpg
四畳半神話大系 (角川文庫) (← amazonへはタイトルをクリックしてネ)
作者: 森見 登美彦
出版社/メーカー: 角川書店
発売日: 2008/03/25
メディア: 文庫

【 story 】

ぴかぴかの1回生の春、異性との健全な交際、学問への精進、
肉体の鍛錬といったバラ色のキャンパスライフを想像していた私。
3回生になった今の現実は、異性からの孤立、学問の放棄、
肉体の衰弱化など、ほど遠い道をひた歩んでいた・・・。
そして5月の終わり。
私は愛すべき四畳半に座り込んで、憎むべき小津とにらみ合って
いるのだった・・・。

夜道で出会えば、10人中8人が妖怪と間違い、残りの2人は妖怪、
という悪友の小津にそそのかされ、悪行にまい進し、小津の師匠で
あり謎の自由人・樋口師匠には振り回され、何んとなく気になる
黒髪の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれず・・・。

あの、ぴかぴかの1回生の、あの大学の時計台で違う選択をして
いたら!果たして私はバラ色のキャンパスライフを満喫できていた
のだろうか??

【 赤面しそー! ^^; 】

いや~、ホント赤面しそうです (///∇//)

黒髪の乙女ならぬ“ 純情な乙女 ”とお友達になって、友達をたくさん
作って、毎日がバラ色のような楽しいキャンパスライフ!って、実際、
私も想像していたもの!!
でも、この物語の「私」が自分のことを “ 手の施しようのない阿保
(あほ)だった・・・ ” なんていうところは、共感しちゃいますね~ ^^;
まさにそのとおり!私もそう思ってます。
この物語の主人公と同じで、現実は違いましたよぉ。

そしてそして、「隣の芝は青い」じゃないですが、私も 『あのとき、違う
サークルに入っていれば・・・』みたいに思ったところなんかも・・・。
もしかして、これって森見さんもそう思っていたのかなぁ。

さてさて、この物語は、主人公の“ 私” がターニングポイントと思った
時計台まで時計を巻き戻してみたら・・・というお話。
“私”が違う選択をしていたなら、果たしてバラ色のキャンパスライフが
待ち受けていたのか??
こう、ご期待です(書きたいけど、おもしろくなくなっちゃうから書くのは
我慢しますネ!)
いずれにしても、小津くんとや樋口師匠、明石さんとの腐れ縁は切れ
ないみたいですが!

もしかしたら、この作品は「あのときこうしていたら!」ばかりを考えて
いないで、しっかり今を生きたほうがいいヨ!という森見さんの遠回し
なアドバイスなのかな!

それにしても、ラストのセリフ♪
小津くんと “ 私 ” は鎖で結ばれた縁かも!いいコンビですよネ!!
いや~、おもしろかったです☆


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月の裏側【恩田 陸】 [最近読んでみた本の棚]

「ネクロポリス」に引き続いて恩田陸さんの作品を読んでみました。
友だちのお薦めです。

月の裏側 (幻冬舎文庫)

月の裏側 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2002/08
  • メディア: 文庫

【 story 】 

九州の水郷都市・箭納倉(やなくら)。この水郷の街で起きた不思議な出来事。
3人の老人たちが、家族の誰も気づかぬうちに相次いで姿を消した・・・。
それは、家族が気づかぬはずがない状況の中であり、
まさに密室から忽然と消えたようだった。
そして、その数日後、老人たちはやはり家族も気づかぬうちに姿を現す。
その間の記憶は抜け落ちたまま・・・。
そんな不思議な出来事に疑問をもった元大学教授が知人の男「多聞」
この水郷の街に呼び寄せたことから事態は動き始める。

【 精神的な怖さが染みる物語 】

水郷の街にあまねく存在する掘割の水。
その掘割の近くで起こる怪事象。
この街で何が起きているのか?
街中にあるその重く黒く沈んだ水にかかわりがあるのか?
前半は、そのような謎と不気味な雰囲気にドキドキしながら、
読み進めました。

そして後半。
次第にその謎が明らかになるにつれ、「多聞」たちと同じように、
「もし、未知の存在に取り込まれてしまったら・・・」 とか、
「もし、もう既に自分が未知の存在に取り込まれていたとしたら、
“自分”は精神を正常に保って生きていけるのだろうか・・・」
などと自分自身に置き換えて想像して読んでいたら、
とても怖くなってしまいました ^^;
そして、多聞たちは、いったいどうなるのだろう!っと気になり
一気に最後まで読んでしまいました。

自分がいつのまにか「別の者」になっていたら怖いですよネ!

まさにこの物語に漂う「湿気」のように、じわじわと心(精神的)に恐怖が
沁み込んでくる印象の小説でした。
こういう怖い小説って、実は決して好きな分野ではないのですが、
この物語は読後にいつまでも印象に残るインパクトがある作品でした。

ところで、『月の裏側』というタイトル。
月が常に片方の面しか地球に見せていないように、
  「実は、この世界にも見えていない世界があるんですよ」
という意味が込められているのでしょうか。
(僕の勝手な想像ですけどネ)

【 episode+ 】

実はこの作品を読んだ日は曇り空。そして、ジメジメした日。
ふっと窓の外を見ると、灰色の曇り空と湿気に、まるでその水郷の街に
自分がいるような感覚になってしまいました^^;
なので、一層、物語がリアルに感じられて、読み終えたときは、ほ~!と
一息ついた感じでした。
あー、肩に力が入ったぁ。

この作品を読むなら、晴れた明るい日でなく、どんよりと曇ったジメジメした日
がお薦め!
物語にどっぷり浸かれますよ。
怖いけどネ ^^;


タグ:恩田陸
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ネクロポリス【恩田 陸】 [最近読んでみた本の棚]

感性が自分と非常に近い作家。
もし、自分が小説家だったら、こんな物語が書きたいなと
思うような世界を舞台に、期待どおりのストーリー展開を
提供してくれる作家。
恩田陸さんという作家は、まさにそんな印象です。

いずれの作品も期待はずれはなし。
なので、意識して他の作家を読むようにしないと、
恩田陸さんの作品ばかり買ってしまいそうです。

【 story 】

英国と日本の文化が融合した世界「V.ファー」にある「アナザーヒル」。
そこでは、「ヒガン」と呼ばれる行事が毎年行われており、「ヒガン」には
故人が「お客さん」として現れ、
再会することができる。

その「V.ファー」では、連続殺人事件の「血塗れジャック」が世間の注目
集めていた。
そして、アナザーヒルに向かう多くの人々の興味は、その被害者たちから
犯人を聞きだすこと。
「お客さんは嘘をつかない」から。

そんな中、初めてアナザーヒルに向かった大学院生「ジュン」の目の前に、
鳥居に吊るされた死体が現れる。
犯人探しが進む中、聖地である「アナザーヒル」で新たな被害者が・・・。

不思議と「ジュン」の前に多く現れる「お客さん」たち。
「アナザーヒル」で何かが起こり始める―。

ネクロポリス 上 (朝日文庫)

ネクロポリス 上 (朝日文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/01/09
  • メディア: 文庫

 ▲▼ 2冊を横に並べると「アナザーヒル」の全貌が望めます。
     素敵なデザインですよネ。こういう雰囲気だ~い好きです ^^

ネクロポリス 下 (朝日文庫)

ネクロポリス 下 (朝日文庫)

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2009/01/09
  • メディア: 文庫



【 魅力的な世界 】

この物語は、和と洋が混在するあいまいな世界。
恩田さんは、こういう無国籍風の不思議な雰囲気をかもし出す
ことが本当に上手だと思います。
決して、完全な虚構の世界ではなく、現実感を引きずりつつ、
不思議な世界を描き出します。
なんだかオブラートにつつまれたような感じ。
そんな感じなので、「ヒガン」での故人との再会という突拍子のない
物語の世界も、まるで現実的な話のように違和感がなく、
すっとその世界に入り込んでしまいました。

そんな不思議な世界で新たに起こる殺人事件。
「ジュン」の周りで起こる数々の不思議な出来事。
謎と不思議な世界にどんどん引き込まれて、先が気になって
読み始めたらやめられないくらいでした。

ラストの展開は、若干、意をそがれた感じですけど楽しめた作品です。

【 舞台のイメージ 】

物語を読んでいて、舞台である「アナザーヒル」をイメージしたのが、
フランスの「モン・サン・ミッシェル」。
恩田さんが「モン・サン・ミッシェル」をイメージして書かれていたのか、
装丁のイラストがそうイメージさせるのか、はたまた、単に僕が勝手に
イメージしたのかは分かりませんが、「アナザーヒル」はまさに、
教会が孤高にそびえ立つ「モン・サン・ミッシェル」のイメージに
ぴったりでした。

たしか、僕の大好きな作品「麦の海に沈む果実」の世界も、
日本でありながら異国(ヨーロッパ)の雰囲気が漂う、小高い丘に建つ
学校が舞台で、やはりモン・サン・ミッシェルをイメージした覚えがあります。

皆さんは、どんなイメージで読みましたか?

【 +plus 】

題名の「ネクロポリス」の意味って知っていました?
僕は恥ずかしながら知らなかったので調べてみると、

『巨大な墓地または埋葬場所のことで、語源は、
ギリシャ語のnekropolis(死者の都)。
大都市近郊の現代の共同墓地の他に、古代文明の中心地の
近くにあった墓所、しばしば人の住まなくなった都市や町を指す。』

のだそうです。
なるほど!物語のタイトルにぴったりですネ!


タグ:恩田陸
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死神の精度【伊坂幸太郎】【映画】 [最近読んでみた本の棚]

【 Phase0:言い訳(^^; 】

いつもなら「映画は映画」、「小説は小説」で感想を書いているんですが、
今回、映画の感想を書き始めてはいたものの、載せるところまでいかなくて・・・。
その後、小説も読んだので、「小説」と「映画」、まとめて載せまちゃいま~す。 
ちなみに、カテゴリーは、上映がもう終わりなので、「本」の方にしますネ。

【 Phase1:映画 】

映画
『死神の精度』(※公式HPにリンクしてま~す)を観に行ってきました。
っといっても、4月なのですが・・・(^^;
映画館で予告編を観て以来、ず~と観たいと思っていたんですが、
気がついたら上映はその週末まで。
これはやばい!
っということで行ってきました。
そう、小西真奈美さんの歌声を劇場で聞かなくては!っと・・・(^^)


死神の精度blog.jpg

 ▲ 黒を基調とした藍色がとても素敵な構図です。

実は・・、僕にとって金城武さんが出演している初めての映画。
正直・・、ルックスだけ…なんて、勝手に思い込んでいました。ごめんなさい。
低く響く声と落ち着いた雰囲気。
とても存在感のある役者さんですね。とても素敵でした。
あまり(男性の)俳優さんを素敵と思ったことはなかったのですが、男から見ても正直、
 「ほ~、かっこいいぃぃぃ」
っと思ってしまった(笑)

映画のストーリーは3話構成。
きっと、各話、何らかの関連があるんだろうなぁ、っと思いながら観ていましたが、
第2話の絡み方が意外。
ちなみにパンフを先に読んでしまうと、事前にその絡み方が分かってしまうので、
もし、これから映画館で観るのであれば
(もう上映が終わっているころなので、そんな方はいないかな?)、
映画を観たあとにパンフを読むことをお薦めです
(僕はたまたま映画を観たあとだったので、映画で意外性を楽しめました。
あっ、でも、そんなに意外性を期待しないでくださいネ)

映像も藍色かかった色彩でとても素敵でした。
特に、二本の街に向かって伸びるコンクリートの橋(?)のシーンは幻想的で、
何かワクワクする感じで好きな映像です。

【 Phase2:小説 】

映画を観たとき「死神の精度」というタイトルの理由(意味)が理解できなかったんです。
ん~、どういう意味なのかなぁ、って思っていたら小説を読んで納得。
簡単に言うと、
「死神って、人の生き死にを決めるとき、そんなに一生懸命考えているわけではないですよ」
っという意味のようですね
(そのままじゃん!なんで分からなかったの?っと突っ込まれそうな・・・ハズっ!)。

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/02/08
  • メディア: 文庫

 

【 お話は?? 】

死神のお仕事は、対象の人間の前に現れ、1週間調査の間に調査し、
その人間が死ぬことについて、「可」とするか「見送り」かを判断して報告すること。
そして、「可」とした場合、8日目にその死を見届けること。
死神の「千葉」さんは、人がいつ死のうが無関心。ほとんどが「可」と報告するのに、
「千葉」さんを含めて死神たちは、ほとんど1週間の調査をきちんとする。
なぜかというと、死神は皆なぜか音楽が大好きで、時間さえあれば、音楽が聴きたいから。
CDショップで試聴機の前に立ちっぱなしなんで当たり前。
聴く音楽はクラシックからロックまで。
そんな、どこか微妙にずれていて、死に関して達観している
(死神なので当たり前なんでしょうが)、
「千葉」さんが調査する6人のお話。

タイトルと同じ「死神の精度」に始まって、「死神と藤田」、「吹雪に死神」、
「恋愛で死神」、「旅路を死神」、「死神対老女」の6話構成。
ちょっとミステリーちっくな展開もあって、さまざまな人生が描かれていている。
ちなみに、
僕は、「恋愛で死神」というお話がお気に入りです!

ちなみに、この物語の中のセリフ

「自分と他の人が同じことを考えたり、同じことを言ったりするのって、すごく幸せに感じるんですよ」

っというところに共感!
ホント、人が自分と同じ感覚を持っているのってうれしいですよネ。
まして、
好きな女の子が自分と同じ感覚を持っているのがわかったときって、
最高に幸せな気分!

そして、死神の調査の対象となる「荻原」くん。
  気になった女の子を遠くから見つめる、そんな純情なところ 
  
外見じゃなくて自分の本質を見てほしいという生真面目なところ
そんな「荻原」くんにとても共感してしまいました(笑)。
こういう人には、幸せになって欲しいなぁ。
この物語のラストは、「荻原」くんにとって、幸せなラストなのかな、っとも思います。
どんなラストかは、読んで楽しんでみてネ!

さて、「本屋大賞」をとった伊坂幸太郎さん。

ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2007/11/29
  • メディア: ハードカバー
 ▲ 本屋大賞受賞作品。まだ読んでないので、すご~く楽しみ!!


いくつか作品はしっていたけど、読んだのは初めて。
読みやすい文章で、読者を引き込む魅力があるなぁって思いました。
映画も小説も楽しめますよ。
よかったら読んでみてくださいネ。


タグ:原作
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東京少女【林 誠人・笹原ひとみ】 [最近読んでみた本の棚]

書店で「東京少年」とセットで平積みにされていた『東京少女』。
「どうせなら、こちらも読んでみよう」といった不純な動機で手に取ったのがこの作品です。
ヒロインの夏帆さんの表紙も素敵でしたしネ。
こちらも、東京少年と同様、どんな映画になるのか楽しみです。

東京少女 (リンダブックス)

東京少女 (リンダブックス)

  • 作者: 林 誠人
  • 出版社/メーカー: 泰文堂
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 文庫

【 ストーリーは・・・ 】

 高校生の未歩は、母親と二人で暮している。
未歩は、月を観察するのが好きだった亡き父の思い出し、今夜も月を観察する。

ある日、未歩は、母から突然、再婚相手を紹介される。
とまどう未歩は、母親の再婚相手との食事中に抜け出した
ホテルの非常階段で携帯を失くしてしまう。
その夜、未歩は自分のケータイに電話をすると、電話に出たのは100年前
、明治時代の青年だった。
いつしか素直に自分の気持ちを伝えられる未歩。
互いにとまどいつつも、次第に惹かれあっていく二人。
しかし、二人は同じ時を共有することもできない。
「別れ」のときは確実に近づいていた…。

【 雑感 】

ストーリー的には、「東京少年」よりも好きかな。
韓国映画「リメンバー・ミー」を思い出させるようなストーリー(※この映画、大好きです!)。
小説は、百年からの時を隔てた二人の恋物語。
決して時が交わることのない二人。
どのように二人の関係を整理するのかなって興味津々読み進めました。
ん~、なかなか!上手くまとめましたね。
平行して呼んでいた作品が読み応えがあったので(こちらも時を隔てたラブストーリー)、
この作品は、あっさりとした内容に感じましたが、その分、気楽に楽むことができました。
結局のところ、「時を隔てたラブストーリー」とか「運命のラブストーリー」みたいな話って
大好きなのを再認識してしまいました(ハズッ!)

【おまけ】映画の公式サイトをご案内しますね。 『東京少女』です!
     東京では、「東京少女」(東京では平成20年2月2日からロードショー)の後、
     
平成20年2月23日からの上映のようです。上映館は公式サイトから調べてネ。

 ★ 参考 ★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★☆☆☆☆★

上で触れた韓国映画『リベンバー・ミー』を紹介します。本当に素敵な作品です。
韓国映画の実力を再認識しました。
確か、吹石一恵さんの主演で、日本でもリメークされていたと思います。

リメンバー・ミー

リメンバー・ミー

  • 出版社/メーカー: パイオニアLDC
  • 発売日: 2002/04/26
  • メディア: DVD

【ストーリーは・・・】

1979年、皆既日食の日。
女子大生のソウン(キム・ハヌル)は壊れて動かないはずの持つ古い無線機から、
イン(ユ・ジテ)と名乗る青年の声を聞く。
交信をしているうちに、やがて同じ大学に通っていることがわかり、会う約束をする二人。
しかし、いくら待ってもお互い会えない。
実はインは時を隔てた2000年に生きる若者だった……。


タグ:夏帆 原作
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東京少年【渡邊睦月・村上桃子】 [最近読んでみた本の棚]

小説を読むとき、登場人物をどのようにイメージしますか?
たぶん一般的には、その描写に自分の想像を加えてイメージしていますよネ。
作品の描写には限界があるし、きっと読む人は、
自分の好みの容貌、スタイルといった「理想系」を加えてイメージしているんだろうなぁ。
ヒロインの容姿やスタイルは、憧れの「彼女」になっていたりして!(笑)
同じ作品でも、私がイメージしているヒロイン、皆さんがイメージしているヒロインって違いますよね。
それぞれのヒロイン
が作品を飛び出して集まることができたら、
歩くスピードも、声のトーンも、微笑み方もまったく違ったヒロインが集まって、
その違いに驚くかもしれません。

表紙の装丁にイラストなどがある場合には、登場人物はそのイメージになりませんか?
今回紹介する「東京少年」の表紙は堀北真希さん!
この作品では、堀北真希ちゃんが駆け回っていました(笑)
作品の感想はというと・・・・。まっ、いっかぁ~!
映画の脚本の小説化ということですので、映画がどのように料理してくれるか楽しみです。


東京少年 (Linda BOOKS!)

東京少年 (Linda BOOKS!)



  • 作者: 渡邉 睦月, 村上 桃子
  • 出版社/メーカー: 泰文堂
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 文庫


【 ストーリーは・・・ 】

幼い頃に両親を亡くした「みなと」には、ただ一人何でも話せる文通相手がいた。
  その名は 「ナイト」
顔を見たこともなければ、名前も知らない。知っているのは、同じ年の「男の子」ということだけ。
でも、人には言えないことを、心を預けられるただ一人の存在・・・。

ある日、みなとはシュウと出会い、恋に落ちる。
「ナイト、あたし好きな人ができたみたい!」
みなとはさっそくナイトに自分の気持ちを込めた手紙を送るが…。

【 表紙 】

最初にも書いたとおり、表紙がイラストや俳優さんの場合、
登場人物はそのイメージになりますよね。
最初にイメージができていると、自分で登場人物をイメージする必要がないので、
す~と内容に入っていけます。
でも、ときどき、「ん~、イメージと違うのでは!」と思うときも・・・。
映画のキャストなどで違和感を感じた経験が皆さんもあると思いますが、
俳優さんの場合には過去の出演作の役柄といったイメージがついて回ってしまい、
そのイメージが邪魔をしてしまって、
映画の役柄とのイメージに違和感が生じてしまうのだと思います。
それは、小説でも同じ。
でも、この作品は、堀北真希ちゃんのイメージで読みました。
違和感はなく、ヒロイン「みなと」のイメージはまさにぴったり!
真希ちゃんの、静謐(せいひつ)で、アクがないところが、
登場人物の色を素直に受け入れることができて、
読者に違和感を持たせない理由かもしれません。
そうです!単純に好きなだけかもしれないけど(笑)

【 雑感 】 ※まだ読んでない人は、この「雑感」を読まないほうがいいかも・・・。

最初から、ストーリー展開が想像できてしまったところが残念かな!。
ラストの工夫をもう少し期待したのですが・・・。
でも、小説では、「ナイト」がどのような人物かを最後まで明らかにしませんが、
映画は、掘北真希ちゃんが一人二役で演じるので、
最初からナイトがどのような人物かを隠そうとする意図はないように思います。
そうであれば、映画は、真希ちゃんの一人二役が見どころになるけど、
小説では、ナイトの素性を最初から明らかにしてしまったら、
作品の盛り上がる部分がなくなってしまうので、小説化に当たって、
  『いったい「ナイト」とはどのような人物なのか?』
といった謎を期待させたストーリー展開になってしまうのはしょうがないのかも。
でも、もともと「核心部分」が明らかであることを前提にストーリー構成されているのに、
無理にそれを謎にしようとすると中途半端になってしまいますよね。
そう考えると、映画脚本の小説化って、こういう「見せる」演出ができないから難しいのかも。
ご苦労をお察しします!

それにしても、このごろ、堀北真希ちゃんは、ボーイッシュな役が多いような・・・。

『東京少年』の公式サイトをご案内します。
予告編など、堀北真希ちゃんの魅力がいっぱい!!



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