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トリフィド時代 【ジョン・ウィンダム】 [古典的名作の棚]

― 小さいころ読んだ本で、いつまでも印象に残っている ―
そんな作品ってありませんか?
小学生のころなら「アルセーヌ・ルパン」シリーズ、「ドリトル先生
航海記」、「十五少年漂流記」など。
ドキドキ、ワクワクしました。

そして、この作品もそのひとつ。
  ある夜、流星を見た全世界の人々が視力を失ってしまうこと。
  動き回ることのできる緑の植物が人を襲うこと。
そんなストーリーを漠然と覚えていましたが、
肝心のタイトルは忘れていて・・・(^^;)

その作品に再び出逢えたのが、すごくうれいしいです。
それが今回、ご紹介する「トリフィド時代」です。

【 story 】

地球が緑色の大流星群の中を通過し、その美しさに世界中の
人々は歓喜した。
その大流星群をたまたま見ることができなかったビルは、静け
さの中、異様な朝を迎える。
一夜にして、流星を見た者は一人残らず視力を失い、生きる術
さえない世界に変ってしまっていた・・・。
流星を見なかったわずかな人々は、生きるため、そして、少し
でも文明を守ろうと少しづつ集まる。
そんな中、植物油採取のために栽培されていた「トリフィド」と
いう三本足の動く植物が人類を襲い始める! 

   トリフィド時代s.jpg

    ▲ 洗練された表紙ですよね!
      復刻版なので訳も昔のままのようですが、決して古臭く
      なく違和感なく読めました。本当に魅力的な作品。
        つくづく「昔懐かしの古典SF!あなどるべからず」と思います。

       トリフィド時代―食人植物の恐怖 (創元SF文庫)
    ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
    作者: ジョン・ウィンダム
    出版社/メーカー: 東京創元社
    発売日: 1963/12
    メディア: 文庫

 

【 読んだ当時の衝撃!】

 

古典SFの中には、H・G・ウェルズの「宇宙戦争」を始め、
そんな破滅の中で生きようとする人々を描いた小説が多く
あったからでしょうか。
  この物語の主人公と同じ立場で自分がいたとしたら・・・
この物語を初めて読んだ当時、そんな想像をしながら、主人公
に自分を重ね合わせて、ハラハラ・ドキドキしながら読んだこと
を覚えています。

そして今回。
これだけ印象に残っている作品ながら、幸か不幸かラストを
覚えていなかったため(ラストに衝撃を受けたことは強く印象
に残っていました)、今回も、読み始めると、先が気になって
気になって、ぐいぐいと惹き込まれて、いっきに読んだところ
です。

この物語は、実は自分の記憶と違って意外だったのですが、
トリフィドとの戦いのようなものはほとんど描かれてなくて、
どちらかというと、追い詰められた環境の中で、自分や愛する
人を守り、生き抜こうとする主人公の姿が描かれています。
そういう思いって(特に、愛する人を守りたいという気持ちって)、
みんなが持っているので、共感しやすくて、理解しやすいですよネ。
そんなところが、読者をぐいぐいと惹き込む最大の魅力なのかも
と思います。

最近、こういうロマンのある小説にめぐりあえないですね。

【 episode+ 】

この作品のタイトルを知ったのは、ネットでストーリーを入力して
検索してみたところヒットしたからでした。
でも、その時、既に新刊は刊行されおらず、手に入れるとしたら
古書のみ。意外と有名な作品らしく(僕は知らなかったのですが・・・)、
古書の値段が高い・・・。
そんな訳で、東京創元社さんに、復刊リクエストをしたくらいです。
(5~6年前でしょうか。後にも先にも復刊リクエストはこの作品
だけです)

先日、たまたま検索してみると、復刻版が刊行されているじゃない
ですか!
その時は復刻版が出ていると分からなくて、「新刊あり」の表示に
  「?」
と思いながら、新刊が手に入るならと、間髪いれず注文したところ
でした。
本当に「新刊」が届いたときは、信じられなくて・・・。
うれしかった(*^^*)
僕のこの作品への思い入れって分かっていただけますか?
本当に読めてうれしいんです!

僕としては、次に「地底世界ペルシダー」シリーズを復刊してほしいな!


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