星を継ぐもの 【ジェイムズ・P・ホーガン】 [古典的名作の棚]
ジェイムズ・パトリック・ホーガンの作品は、このシリーズしか
読んだことがなかったのですが、2010年7月、「SFの巨星逝く」の
訃報を聞いたとき、すごく残念でした。
この作品を読んだのは10年以上も前ですが、今でも強烈な印象が
残っていた作品。
久しぶりに読みたくなり、本棚の奥から引っ張り出してきました!
星を継ぐもの (創元SF文庫) (←amazonへはここをクリックね!)
作者: ジェイムズ・P・ホーガン
出版社/メーカー: 東京創元社
発売日: 1980/05
メディア: 文庫
【 story 】
月面の洞窟から、真紅の宇宙服をまとった死体が発見された。
綿密な調査の結果、この死体はなんと5万年前のものである
ことが判明する。
― この“ルナリアン”は、地球人なのか、それとも、他の惑星
の住人なのか? ―
世界屈指の科学者たちが、“ルナリアン”の謎に挑み、次第に
明かされる事実。
しかし、事実が明らかになると、さらに謎は深まるのだった・・・。
果たして“ルナリアン”と人類とのつながりはあるのか?
そして、なぜ“ルナリアン”は月面で死を迎えることになったのか?
【 壮大で夢のある物語 】
初めて読んだ10年以上前もそうだったのですが、最初、なかなか
ストーリーにのめり込めず苦労しました。
物語は、“ルナリアン”の謎の解明だけといっていいほど。
それぞれの専門分野の科学者たちが、いろいろな仮説を立て、
謎に迫っていきます。
そんな感じの物語のため、どうしても「動き」が少なく、また、その
仮説も科学的なので(何ていってもサイエンス・フィクションですしネ)、
内容を理解するのにちょっと苦労しました。
しかし、“ルナリアン”の謎が次第に明らかにされ始めると一転。
その明かされた謎や壮大なスケールに、グイグイと惹き込まれて
いきました。
「こんな隠された事実があったなら」と想像するだけでワクワクして
くる、とても夢やロマンがある作品です。
私のように「あらすじ」を読んだだけでワクワクした方なら、絶対に
読んでみて損はないと思いますヨ (o^-')bサイコ~★
【 +plus 】
ホーガンの最高傑作のみならず、SFの最高傑作とも言われる
この作品は、「ガニメデのやさしい巨人」、「巨人たちの星」へと
続きます(この三部作で一つの物語として見た方がいいかも)。
そして、第1部の「星を継ぐもの」は1977年の作品なのですが、
第3部「巨人たちの星」(1981年)から10年以上経て、日本では
1997年に第4部「内なる宇宙」が刊行されています。
(しかも、まだ刊行されていないけど第5部も存在するらしい)
この第4部は、まず三部作を読み直してから読もうと我慢していた
もの。
壮大な物語がまた楽しめると思うと、すごくうれしいです♪
※ どうでもいい「お知らせ」
この作品を読んだとき、私はなぜか、映画「猿の惑星」を想い出しました。
内容は、もちろんまったく違うんですけど、ラストの衝撃と、壮大で夢と
ロマンがあるストーリーに共通性を感じたのかも。
このブログのカテゴリとして、本来なら「SF小説の棚」に入れるべきかと
思うのですが、古典的名作に多い「壮大さ」や「ロマン」が色濃く感じられる
この作品は、あえて「古典的名作の棚」に入れることとしました。
って、どのカテゴリに入れるかって誰も気にしてないと思いますが ^^;
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