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奇岩城 【モーリス・ルブラン】 [古典的名作の棚]

―自分にとって初めての推理小説ってどの作品だろう?―

先日、ふっと思い、記憶をたどったら浮かんだのがこの作品。
“アルセーヌ・ルパン”シリーズは私の推理小説好きの原点と
なった作品といって過言ではありませんが、この「奇岩城」は、
その中でも一番最初に読んだ作品で、まさに原点の原点!
想い出してみたら大まかなストーリーしか覚えていなくて、久し
ぶりにきちんと読んでみたくなり、手に取りました。
懐かしかったぁ O(≧▽≦)Oナツカシイ!

  shincho奇岩城_s.jpg
 ▲ 奇岩城 (新潮文庫―ルパン傑作集)
  ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてね!)
  作者: モーリス・ルブラン
  出版社/メーカー: 新潮社
  発売日: 1959/12/02
  メディア: 文庫

【 story 】

ド・ジェーブル伯爵邸で起きた殺人事件と盗難事件。
しかし、何かを運び出す泥棒の姿は目撃されているのに
盗まれた物は何もなかった・・・。しかも、その泥棒の姿も
忽然と消えてしまう・・・。
高校生のイジドール・ボートルレは、大人を凌駕する推理で
次々と謎を解き、事件の影にアルセーヌ・ルパンの影がある
ことを見抜く。
ガニマール警部、イギリス人名探偵シャーロック・ホームズも
絡む中、ボートルレは次第にルパンの秘密に迫ってゆく。

【 懐かしい 】

小さいころに親しんだ推理小説といったら、きっと多くの人が
シャーロック・ホームズや江戸川乱歩を挙げるのではないで
しょうか(※ただし、私と同年代 ^^; )。
でも、私にとっては、アルセーヌ・ルパンが先に親しんだ作品。
変装の名手で神出鬼没、頭脳明晰、そして怪盗紳士(高貴な
雰囲気を漂わせる)なところがルパンの魅力なのでしょうね。

  poplar奇岩城_s.jpg
 ▲ まさにこの表紙!懐かし過ぎです。
   このポプラ社発行のシリーズを親に買ってもらったのが
  始まりですが、本屋さんに行くたびにそのシリーズを眺め、
  次に買ってもらうのはどの作品にしようかと迷っていたのを
  想い出します。
   今は、ポプラ社から文庫で復刻版が発刊されていますヨ。

 ※ちょっとだけ内容に触れるので、未読の方はご注意を! 

この作品でも、物語発端の陰のように消え去ったルパンの謎、
ボートルレとルパンの駆け引き、そして、秘密基地のような
隠れ家。まだ小学生だった当時、またたく間に、ルパンの魅力
に惹き込まれたのを想い出しました。
もちろん古典作品なので、今に比べたら、ストーリーは単純と
いう印象ですし、レイモンドがルパンに惹かれた理由も描かれ
ておらず、ちょっと乱暴な展開のようにも感じますが、懐かしさ
もあってか楽しめました♪

ところでこの作品、ポプラ社版を読んだ当時も子どもながらに
疑問に感じたのですが、シャーロック・ホームズが登場するん
ですよね。もちろん作者は別。いくら今に比べて著作権などが
緩やかだった時代だとしても勝手に出していいの?(しかも、
あまり印象の良くない)と少々違和感がありました。
今回、新潮文庫版を読んでみて納得。注釈がついていて、
原文は「Herlock Sholmes(eの上に')」 (ヘルロック・ショル
メス)で、HとShと入れ替えるとシャーロック・ホームズ。なので、
訳では、シャーロック・ホームズとしたそう。原作者のルブランが
ホームズを意識していたとしても、“超訳”過ぎのような・・・ ^^;
他国ではどのように翻訳しているんですかね??

有名だけど読んだことのない方。是非、古典の名作に触れて
みてください!

【 +plus 】

今回読んでみたのは新潮文庫版。正直、直訳的で、自分のことを
「わし」などと訳されており、表現の古さが感じられたし、ちょっと読み
にくくて、ストーリーの情景を思い浮かべずらかったです。
読了後、奥書を見てみると、初版が昭和34年でした。「どうりで!」
と納得してしまいました ^^


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