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カフーを待ちわびて【原田マハ】 [ラブストーリーの棚]

   カフー:果報。与那喜島の方言。いい報せ。幸せ。

「第1回日本ラブストーリー大賞受賞作品」

ラブストーリーが読みたい!って思っていたときに見かけた帯。
しかし、実は、買ってからしばらくお蔵入りしていました。
そして、2~3か月して、急に
ラブストーリーを読みたくなって、
読み始めたこの作品。
舞台が沖縄・与那喜島というだけだからではなく、
さわやかな風が吹いている素敵な作品です。

【story】
沖縄の太陽の下、祖母から譲り受けた雑貨店を営みながら、
愛犬のカフーと暮らす明青(アキオ)。
ゆるやかな時の流れの中で、変化はないが自由に平穏な日々を送っていた。
そんなある日、1通の手紙が届く。そこには、
  『私をあなたのお嫁さんにしてくださいますか。』
「幸(さち)」と名乗る女性からの手紙に冗談とは疑いながらも、
少しばかりの淡い期待と、もし本当に来てしまったらと緊張する明青。
しかし、その女性は現れず、時は過ぎていった。

気持ちに区切りをつけようと手紙を燃やした翌日の夕方。
明青は、散歩の帰り道にガシュマルの木の下に佇(たたず)む、
白い帽子とワンピースの女性と出逢う。
  「友寄明青さんのお宅は、どこでしょうか」
  「うち、ですけど」
 あ、と彼女の口元が、困ったような微笑でほころぶのがかすかに見える。
  「はじめまして、幸です」

幸は明青の家に居つき、お店を手伝い始める。

カフーを待ちわびて [宝島社文庫] (宝島社文庫 C は 2-1)

カフーを待ちわびて [宝島社文庫] (宝島社文庫 C は 2-1)

  • 作者: 原田マハ
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2008/05/12
  • メディア: 文庫

 ▲ 真っ青な空。作品のイメージどおりの素敵な表紙です。

【 心地よさ 】
さわやかな風が、すぐ脇を通り抜けていくような、そんな心地よい作品です。
展開は多少読めてしまい、ちょっと強引かなって思うところもありますが、
でも、素敵なラブストーリーです。

 幸という「美(チュ)らさん」は、なぜ明青の元へやってきたのか。
 幸が抱える秘密とは・・・。

ミステリアスな「幸」の存在。
そして、次第と大きくなる彼女の存在に、ただ純粋に「幸」を大切に思う、
そんな明青の気持ちが心地いいんです。
「カフー」はやってくるのか、ドキドキしながら先を読み進めました。
さわやかさを感じたいなら、お薦めです。

【 +plus 】
この小説を読んで、もっとラブストーリーが読みたくなりました。
そして、今、また違うラブストーリーを読んでいるのですが、こちらがまた、重い。
っというか、心の描き方が深い。
でも、私には、こういう繊細な作品のが好きかな。
こちらの小説も次に載せることになりそうです(※「こちら」は秘密です!)。


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