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ラストノート【飯田雪子】 [ラブストーリーの棚]

タイトルの「ラストノート」の意味って知ってますか?

ラストノートとは、香水等の香り成分のなかで、時間がたって
後から香ってくる香りのことで、最初に香立つのを「トップノート」、
次に香のが「ミドルノート」、そして残り香が「ラストノート」または
「ディープノート」というそうです。

女性は普通に知っている言葉なのかもしれませんが、私は初めて。
この小説はタイトルのように、忘れられない恋の余韻の物語です。

【 story 】

学生時代に少しずつ育まれていた、洋祐と文香の恋は、
ほんの些細なことが原因で壊れてしまう・・・・・・。
洋祐も文香もその恋に心の整理ができず、新しい恋にも臆病になっていた。
そして、ふたりには進むことのない3年の月日のみが流れていた。

友人の結婚祝いを兼ねた12月の同窓会。
洋祐と文香は再会する・・・。

ラストノート―きみといた季節 (ハルキ文庫)

ラストノート―きみといた季節 (ハルキ文庫)

  • 作者: 飯田 雪子
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2009/01/15
  • メディア: 文庫

 ▲ やさしい雰囲気の表装です。
   雪の降る中、ちょっとさみしげに立つ1本の木が、
   洋祐と文香の心を表わしているようです。

【 恋したときの臆病な気持ち 】

  逢いたい。逢って話をしたい。
  自分のこの気持ちを伝えたい。
  でも、会ったら笑って普通に話せるだろうか。
  彼は笑ってくれるだろうか。
  相手がもう自分のことなどなにも思っていないかもしれない。
  この気持ちを伝えていいのだろうか。

再会を前にしての期待と不安に揺れ動く文香の気持ちが、痛いほど伝わってきました。
  素直に自分の気持ちを伝えたいという気持ち。
  わずかでも希望にかけてみたい気持ち。
  でも、駄目だった場合に自分が傷つかないように予防線を張ろうとする気持ち。
こんな時って、息ができないほど、どきどきして逃げ出したいほどですよね。

こういう臆病な気持ちって、決して女性だけではなく、男もそういう気持ちになります。
ですから自分の(少ない^^;)経験と重ね合わせてしまいました。

【 恋愛小説に思うこと 】

このブログに取り上げている作品は、まだ読んでいなかったら「読んでみて!」
っとお薦めしたい私の好きな作品ばかり。
なので、「恋愛小説」について最近感じていることを、この作品の紹介の中で
あえて取り上げることもないのですが、今回、ちょっと触れたいと思います。

「恋愛小説」を読んでいると、まさに運命としか言いようがないほど、ふたりが深く
結びついているのに、恋人どおしにはならず(戻らず)、別の道を未来に向かって
歩みだしていく物語って多くないですか?

いつも思うんですよネ。うまくいってほしいな!って。
お互いに相手を必要として求めあっているのに、なぜ別れなくちゃいけなの?
どうして元にもどっちゃいけないの?って。
例えば、この作品のふたりがやり直したとしても、きっと、うまくいくだろうなと思います。
3年間も相手を想い続け、
かけがえのない存在であることを再認識しているのですから・・・。

もちろん、別の道を歩みだす選択ってあると思います。
そうやって、その恋の痛みを自分の糧(かて)にして歩みだして行くこともあると思うから。
それは共感しますし否定するものではありません。
でも、単純に「上手くいってほしい」って思うんですよね。
理想的な恋愛すぎですか?


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コメント 1

沙奈

熱いハートを秘めてるとやっぱり違う。

しかも経験と重なるとより色々考えちゃう。
きっとだれもがどこかで感じてる感情ですね。
分かる気がする・・・経験少ないけど。
そういえば新作の「仔猫の恋」が出たんですよ。
どんな作品なのか気になってるので、読んでみようと思います。


飯田さんの記事をネットで探してたら、来年あたり
危機が来るとか、ちょっと怖い記事を見つけましたよ。
http://www.birthday-energy.co.jp
どうも、お子さん関連でえらいことが起きるとか・・・。
気になるなぁ。

by 沙奈 (2012-05-20 22:50) 

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