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孤宿の人 【宮部みゆき】 [最近の素敵な本の棚]

宮部みゆきさんの作品は「レベル7」に始まって、「龍は眠る」、
「模倣犯」、「理由(わけ)」しか読んだことがありませんでした。
超人気作家ですし、評判の作品も多いながら、何となく
社会派的イメージが強くて(きっと「模倣犯」や「理由」の印象が
強いのだと思います)、その分野が比較的苦手な私の触手が
沸かなかったのだと思います。

この「孤宿の人」も評判がいいのは知っていて、本屋さんで
何度も手に取っていながら、宮部作品のイメージとあまり読まない
時代物ということもあって、元に戻していたものです。
今回、人に薦めていただいて読んでみました。
すごく素敵な作品でした  (o^-')bトテモイイ~♪

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孤宿の人〈上〉 (新潮文庫) ←amazonへはここをクリックね!
作者: 宮部 みゆき
出版社/メーカー: 新潮社
発売日: 2009/11/28
メディア: 文庫

【 story 】

大晦日。江戸市中、建具商「萬屋(よろずや)」の陽の当らない
女中部屋で生まれた“ほう”。
預けられた家で“ほう”は躾らしい躾もなく育てられた。
そんな“ほう”が9歳になった正月明け、「萬屋」の都合で
四国・金毘羅さまへ代参することになる。
しかし、金毘羅さまへお参りする直前、“ほう”は置き去りに
されてしまう。
そこは、北は瀬戸内海に面し、南は山々に囲まれた
讃岐国・丸海(まるみ)藩だった。

幸い、藩医を勤める井上舷洲の家に引き取られ、その息子・
啓一郎と妹・琴江のおかげで初めて人らしい暮らしを始めた
“ほう”。
しかし、、その井上家に不幸な出来事が襲う。
そして折しも、流罪となった幕府要人・加賀殿が丸海藩へ入領
しようとしていた。
やがて領内では、不審な毒死や謎めいた凶事が相次ぐ・・・。

【 人情味があるれる物語♪ 】

正直なところ、好みに合うか不安だったので、おそるおそる
読み始めたのですが、すぐにグッと惹き込まれ、上下巻を
一気に読んでしまいました。
すごく、素敵で魅力的な作品です о(ж>▽<)y スゴクイイ☆

“ほう”を始め、宇佐、渡部、舷洲に啓一郎などなど、皆が
心やさしく、でも脆(もろ)さを併せもった人情味があふれる
人物たちで、読んでいて心温かくなってきました。
一方で、丸海という土地の人々の素朴さ故の残酷な一面と、
江戸時代という不条理さが入り混じる時代ということもあって、
その不条理さに“ほう”たちが飲みこまれてしまわないかと
心配になりました。
そんな感じで、物語にグイグイ惹き込まれてしまいました。

【 「孤宿の人」の魅力 】

そして、この物語の魅力は、孤独に幽閉される加賀様。
鬼だ、悪霊だと噂されながら、すべてを受け入れる聡明さと
思慮深さ、そしてやさしさ。
ラスト、“ほう”に贈ったもの。
そして、丸海の人々へのやさしさ。
「孤宿の人」の器の大きさに涙が出そうになりました。
とても感動した、ホントお薦めな作品です ^^


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コメント 2

レイフォン

おおぉーう!
私の大好きな宮部みゆきさんの作品ですネ!
宮部さんの作品は現代ミステリと
江戸時代を舞台にした温かな独特の物語に
分けられますよね〜><

私はどちらも好きですが、まだこの作品は
読んでいなかったので今度読んでみたいなぁと
思いました♪
by レイフォン (2010-10-16 12:37) 

jun

おおぉーう!
レイフォンさん、宮部さんが好きなんですネ!
江戸時代を舞台にした物語は私も気に入りました♪
お薦めがあれば教えてください。
正直なところ、何を読めばいいか分からないので ^^;
by jun (2010-10-17 00:01) 

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