火星のプリンセス 【エドガー・ライス・バローズ】 [古典的名作の棚]
― 地球の内側には未知の世界が広がり、そんな世界に迷い
込んだ青年が、その地底世界で冒険し、危機を乗り越え、
そして、その世界の美女と恋に落ちる ―
初めて読んだ時、ドキドキ・ワクワクして、読むのを止められな
かったほど。その時の興奮がいまだに忘れられないほど大好きな
「地底世界ペルシダー・シリーズ」 。
その作家のもう一つの代表的なシリーズ「火星シリーズ」を実は
知りませんでした・・・ ^^;
何年か前、東京創元社から、この「火星シリーズ」全11作を
4冊の合本にして刊行された際、第1集を買ってみたのですが、
実はそのまま積本になっていて・・・。
ところがなぜか、最近読んでみる気になって読み始めてみたところ
おもしろい!
3作をまとめた第1集をあっ!という間に読んでしまいました。
火星のプリンセス―合本版・火星シリーズ〈第1集〉 (創元SF文庫)
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作者: エドガー・ライス バローズ
出版社/メーカー: 東京創元社
発売日: 1999/06
メディア: 文庫
【 story 】
南北戦争で南軍の騎兵隊大尉だったジョン・カーターは、ある日、
インディアンから逃れようと入った洞窟で身動きができなくなって
しまう。
自分を縛っている麻痺状態から逃れるため、渾身の力を振り
絞ったとき、不思議な出来事が起こった。
そして気がつくとカーターは、火星に飛来していた。
そこは資源が枯渇し、4本腕の獰猛な緑色人、地球人そっくりの
赤色人などが戦争に明け暮れる世界だった。
カーターは、そこで緑色人サーク族に捕えられたヘリウムの王女
であり、絶世の美女であるデジャー・ソリスと出逢う。
カーターはデジャー・ソリスを助けるため、戦乱の渦中へと飛び
込んでいく・・・。
▲ 合本版の第2集から第4集の表紙。
武部本一郎さんのイラストがホント魅力的です。この合本版の
表紙は旧版のカバーイラストでもあるようですが、とても素敵!
プリンセスの艶やかさが伝わってきますよネо(ж>▽<)y イイ☆
【 さすが名作と感じさせる魅力的な作品 】
“異境で数々の危険を乗り越え、縦横無尽に活躍し、そして、
絶世の美女と愛し合う”
「あらすじ」だけ読むと、最近の複雑な物語に慣れてしまった人には
もしかしたら、単純な、ひと昔のカビ臭い物語のように感じてしまう
かもしれません。
しかし、そんなことはありません!
次から次へと迫りくる危機に、カーターはどうなるのか?
デジャー・ソリスを助け出すことはできるのか?
も~、ドキドキ・ワクワクしながら読み進め、時間がなくて本を閉じざる
を得ないとき、次が気になって、かなり苦労しました ^^;
そして、何よりこの作品の魅力は、複雑な打算などせず、ただ純粋に
愛すべき人を助けるためにだけ、我が身をかえりみずに危険に飛び
込んでいく主人公の姿ではないでしょうか。
そういう姿て、男の憧れであり、理想ですよね。幼いころ、誰しもが
こんな英雄になってみたいと多かれ少なかれ夢見たことがあるんじゃ
ないのかな。
そんな、昔、夢見た“想い”を思い起こさせてくれて、異世界での冒険
を味あわせてくれる、そんなところが魅力なんだと思います。
でも、これって男の視点ですよね。
女性の皆さんは、どう読まれてるのかな?
いずれにしても、名作の魅力はダテではありません!
ホント素敵な作品です(o^-')bスバラシー!
【 挿絵・口絵の魅力 】
挿絵・口絵は「地底世界ペルシダー・シリーズ」と同じ“武部本一郎”さん!
「地底世界ペルシダー」を紹介した際にも書いたのですが、ホント、
魅力的です。ウツクシイ・・・。
武部本一郎SFアート傑作集 全3巻(←amazonへは、ここをクリックね!)
作者: 武部本一郎
出版社/メーカー: 復刊ドットコム
発売日: 2010/02/26
メディア: 大型本
【 +plus 】
合本版の第2集から第4集は、2011年6月現在、残念ながら
新刊が手に入りません。
(第1集はまだまだ手に入ります。ちなみに、私は第2集以下を
古本屋を回って手に入れました。まだ、古本なら比較的手に
入りやすいですし、キレイな本も多いです!)
第1集の3話を読むだけでも、十分満足できると思いますヨ。
是非、お読みになることをお薦めします♪
【 ++plus 】
ハリウッドで映画化が進んでいるようです。
この魅力的な物語を実写で表現できるのだろうか・・・
期待であり、不安です。
原作(武部さん)のイメージを壊したくないので私は観ないかも。
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