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晩夏 【図子 慧】 [静かな物語の棚]

以前読んだときは、私好みでとても気に入りながら、記事を書いて
いる時間がなくて、ブログに取り上げられませんでした。
その後も、時々、ふっと「もう一度読みたいな」と思うことがあった
のですが、書棚の奥深くにしまい込んでしまい・・・。今回、やっと
改めて読むことができ、念願の掲載ができました。

  晩夏.jpg
  ▲ 晩夏 (創元推理文庫)
  ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
  作者: 図子 慧
  出版社/メーカー: 東京創元社
  発売日: 2010/10/28
  メディア: 文庫

【 story 】

彼女は病弱なイトコを愛していた。
たぶん、血のつながり以上に。 

夜が明けても帰らなかった伯母。
代々の造り酒屋の家付き娘で、自由奔放ではあるが病弱な息子の
瑞生を心配し、無断外泊など一度もしたことのないあの伯母が。
幼い頃から瑞生をみてきた想子は不安を感じる。
 瑞生は何か隠している―

そして、伯母の死体が発見され・・・。

【 繊細かつ上質 】

背表紙に紹介された“あらすじ”には、最後、「繊細な筆致で綴った
上質な青春恋愛ミステリ」との言葉で締めくくられています。
私の受けた印象も、繊細で上質。正に作品を表していると思います。

晩夏というタイトルがイメージするように、突き刺さるような日射し
もなくなり、ちょっと重くて、さみしさ、気だるさ、そんな夏の終りに
漂う独特の雰囲気が流れている作品です。そんな雰囲気が漂う中、
それとは対照的に、少女でなく大人にもなり切っていない過渡期の
女性の繊細さ、純粋さ、不安定さなどが、繊細に、瑞々しく丁寧に
描かれ、輝いています。

失踪直前の伯母の不可解な行動は?
瑞生が隠していることとは?

と、ミステリの要素も楽しめますが、この作品の魅力は、それ以上
に、想子を繊細に丁寧に描いているところでしょうね。この作品の
ように、静かな作品は、本当に私好みです(*^-')bダイスキ!

【 +plus 】

以前、読んだのは2010年。出逢った小説リスト【2010年版】(Link)
でも触れましたが、この作品は、“あらすじ”より“カバー”に惹かれ
たのが購入のきっかけ。
私の中で、イラストにしろ写真にしろカバーが購入の大きなポイント
になっているのは間違いないです。
この作品のカバーは、ホントに作品の雰囲気を良く醸し出していて、
魅了されます。お気に入りのカバーです


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