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ブラックスワン 【山田正紀】 [最近の素敵な本の棚]

山田正紀さんの名前はSF作家さんとのイメージが強く、お名前は
知ってはいましたが、作品を読んだのはたぶん初めて。
初めてこの作品の表紙を目にしたとき、黒を基調としたデザイン
にグッと惹きつけられ、背表紙のあらすじを読むと正に私好み。
  「編集・営業が選ぶ これが売りたいフェア」
と帯に書かれていたこともあり、期待して読み始めました。
読んでみても、かなり私好み!とても面白かったです!!

  BlackSwan_s.jpg
  ▲ 表紙は写真のようです。素晴らしい!amazonでは、古い
   表紙が表示されています。かなりイメージが変わりますね。
    
ブラックスワン (ハルキ文庫)
    ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
    作者: 山田 正紀
    出版社/メーカー: 角川春樹事務所
    発売日: 1999/03
    メディア: 文庫

【 story 】

静かに雪の降る湖。降りしきる雪がモヤのようにかすみ、遠くに
白い雪に覆われた山脈がぼんやりと浮かび上がっている。
湖の岸辺には7人の男女が立っていた。

少女のひとりが澄んだ声をあげた。
 ― あれを見て。
 ― 黒い白鳥。ブラックスワンよ。

その18年後、世田谷の閑静な住宅街にあるテニス・クラブで、
白昼、女性の焼死事件が発生する。焼死したのは橋淵亜矢子。
旅行先の瓢湖でブラックスワンを見たうちの一人で、その直後
から行方不明になった女性だった・・・。  

【 謎を楽しむ作品 】

少し古い作品なので、ミステリのトリック自体は古く感じるところも
ありましたが、この作品はトリックを楽しむというより、
  どうして橋淵亜矢子は失踪することになったのか ―
  7人の間に何があったのか ―
という謎(疑問)を楽しむ作品といった方がいいと思います。
ですので、トリックの古い印象は、ほとんど気になりませんでした。
そう考えると、この物語のメインとなる人と人との関係や感情、
想いというものは、今の感覚と共通するもので、こういうものは
いつの時代も変わらないものなのかもしれませんね。

瓢湖へ白鳥を見に行った7人の男女が抱えていたそれぞれの
想い、それが手記によって徐々に明らかにされ、謎(疑問)が
解き明かされていくところにグイグイと惹きつけられ、あっという
間に読んでしまいました。ホントおもしろかったです(*^-')bグッド

【 +plus 】

こうしてみると、読むことのなく、通り過ぎてしまっている素敵な
作品がきっとまだまだあるのだろうなと思います。
最近、書かれたのがちょっと古い作品が再評価されることも
多いですが(私は佐々木丸美さんの「雪の断章」や「崖の館」が
お薦め)、もっとそうした素晴らしい作品が再評価されるといい
なと思います。
古くても、素晴らしいものは素晴らしいですネ O(≧∇≦)Oイイ !


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