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精霊の守り人【上橋菜穂子】 [ファンタジーの棚]

この物語を知ったきっかけはアニメーション。
ゴールデンウィークに、たまたま「なにかおもしろい番組はないかな~」
なんて思いながらチャンネルを変えていると、美しく描かれた空と
雲と山々、そして L'Arc~en~Ciel の透明な歌声が流れてきて、
なんとなく『ちょっと観てみようか』くらいの感覚で見始めました。

そうしたら、美しい映像、魅力的なストーリーにグイグイと惹きこまれ・・・。
先日、ついに最終話まで観たところです。
大げさですが、この偶然がなかったら、この物語と出会えなかったかも・・・。

そして、最終話を待って、この小説を読み始めました。

  精霊の守り人DVD_s.jpg
 ▲ 主人公のバルサ。DVDの画像です。
   原作の魅力を十分に生かした素晴らしい作品です。是非ご覧あれ!
   精霊の守り人 第1巻 (初回限定版)
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   出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
   メディア: DVD

【 story 】

女用心棒バルサは、橋から濁流の谷川に落ちた新ヨゴ皇国の
第二皇子「チャグム」を助けた。この偶然がバルサの運命を変える
ことになった・・・。
お礼にと招かれた二ノ宮の館で、バルサは、二ノ妃から、皇子が
何かに宿られていること、神の子孫である帝の威信と皇国を守る
ため、帝が皇子を殺そうとしていることを聞かされ、チャグムを
託される。
深夜、館を抜け出して、バルサとチャグムは北を目指すが、二人
を帝の刺客「狩人」が追う。
バルサは幼いチャグムを守り、ヤクーの呪術師トロガイやタンダの
助けを借りながら、チャグムに宿る秘密に迫る。
  チャグムに宿る秘密とは ―
  そして、チャグムに課せられた過酷な運命とは ―

  精霊の守り人s.jpg
  ▲ 精霊の守り人 (新潮文庫 う 18-2)
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    作者: 上橋 菜穂子
       出版社/メーカー: 新潮社
       発売日: 2007/03
       メディア: 文庫

【 魅(み)! 】

なんといっても、主人公のバルサの魅力
時に父親のように強く、時に母親のようにやさしく、チャグムを
温かく見守っていて、その姿は、たくさんの愛情が込められ、
心を温かくさせてくれました。
アニメでも、ふっと見せるやさしい眼差しがとても良くて・・・。
そして、その裏に秘められたバルサの深い人間性(理由は作品
を読んで!)。
バルサがなぜ、チャグムを守ろうとするのか、バルサの想いが
しっかりと描かれていて、物語を重厚なものとしています。

そして、もう一人の主人公、チャグム。
聡明で、自分の運命に押しつぶされそうになりながら、懸命に
立ち向かっていく姿。そして、何が本当に大切なものか、考え、
成長していくチャグムを応援したくなりました。

この物語のもうひとつの「魅」は、ストーリーがすごくしっかりして
いること。チャグムに宿るものが何なのか、100年前の守り人
の運命、そして、新ヨゴ皇国の建国正史に隠された秘密とは。
飽きさせず、物語にグイグイと引き込んでいきます。

非常に読みやすい文体で、次へ次へと読み進み、あっという間
に読み終えてしまいました。先にアニメを見ていたので、登場
人物たちの性格などを理解していたからかな、って思いながら
読んでいたのですが、本編の読後に「あとがき」を読んでみると、
児童文学として書かれたこの物語を、文庫化に当たって大人用
に漢字を増やしただけのようです。
私は純粋な大人向けの物語だと思っていたので、驚くとともに、
読みやすさの理由を納得しました。

この物語は、どこかで「大人が読んでも・・・」っという紹介がされ
ていましたが、大人の読み物という感じです。
「人とはこうあるべき」、「歴史とは時に創られるもの」といった
現実の価値観・歴史観にも通じる内容は、とても児童文学とは
思えない深さがあります。
この作品をまだ読んでいない方は、先入観を持たずに是非、
読んでみてください。

【 +plus 】

この作品は、全10巻にわたる物語だそうです。
私も続きが読みたくて、さっそく、第2巻「闇の守り人」を買って
きました。アニメでは語られていない物語。展開がとても楽しみ
です。

  闇の守り人s.jpg
  ▲ 闇の守り人 (新潮文庫 う 18-3)
    ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
    作者: 上橋 菜穂子
    出版社/メーカー: 新潮社
    発売日: 2007/06
    メディア: 文庫

ちなみに、このシリーズ、
 『精霊の守り人』 が 野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞、
 『闇の守り人』  が 日本児童文学者協会賞、
 『夢の守り人』  が 路傍の石文学賞、
 『神の守り人 来訪編・帰還編』 が 小学館児童出版文化賞
っと、すご過ぎます ^^;


タグ:上橋菜穂子
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コメント 2

choko+。

はじめまして☆
私も上橋菜穂子さんの書く
本が大好きです♪
ほかにも
「狐笛のかなた」
「獣の奏者」
とかおもしろいですよっ!

・・すいませんいきなり::
by choko+。 (2009-01-14 21:06) 

jun

いえいえ、コメントありがとうございます♪
とてもうれしいです(^^)
今、ちょうど、次に読む本を探していたので、さっそく読んでみますネ。
僕はほんと、「精霊の守り人」シリーズが気に入って、文庫で出ている「虚空の旅人」まで『いっき読み』でした。
早く次が読みたいデス。
また、お薦めの作家さんや作品がありましたら教えてくださいネ!
by jun (2009-01-16 00:41) 

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