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日本推理作家協会賞【小説】 [tea room]

先日、新聞を読んでいたところ、
日本推理作家協会が主催する賞についての記事が載っていました。
  「江戸川乱歩賞」 
ミステリーの新人を発掘顕彰するもの
  「日本推理作家協会賞」 がその年の最も優れたミステリーに与えられるもの
だそうです。

実は、お恥ずかしながら「江戸川乱歩賞」がその年の最優秀作品に
贈られているものとばかり思っていました。
どおりで受賞して初めて名前を知る作家さんが多いわけです。
推理小説が大好きなのに知らなかった・・・(苦笑)。

そこで、まず「日本推理作家協会賞」について調べてみました。

【 日本推理作家協会賞とは 】

1948年に探偵作家クラブ賞として、現在の日本推理作家協会が創設
 (当時は日本探偵作家クラブ。江戸川乱歩が主催)
毎年、その年に発表されたミステリー(※)の中で優れていたものに、
日本推理作家協会が授与する文学賞。
毎年5月ころの発表のようです。
 ※ ミステリーといっても、いわゆる本格的な探偵小説、推理小説からハードボイルド、
   冒険、サスペンス、SF、ホラーと、推理小説に限定されていないそうです。

●名前の変遷は?
 探偵作家クラブ賞    第1回(1948年)~第7回(1954年)
 日本探偵作家クラブ賞 第8回(1955年)~第15回(1962年)
 日本推理作家協会賞   第16回(1963年~現在)(※2008年は第61回)

●部門は?
 第1回(1948年)~第4回(1951年)  長編賞、短編賞、新人賞(第1回のみ)
 第5回(1952年)~第28回(1975年) 部門の区別なし
 第29回(1976年)~現在       長編部門、短編部門、評論その他部門
  ※ 「短編及び連作短編集部門」が「長編及び連作短編集部門」に変わるなどの変更は
      あるようです。

●選考方法は?
 第61回(2008年)の場合
   前年末から各部門別に予選委員会(長編及び連作短編集部門5名、短編部門4名、
  評論その他部門3名)を重ね、4月に候補作が決定。
   5月16日(金)15:00から、「第一ホテル東京」において『本選考委員会』が開かれ
  受賞作が決定
  
●過去の主な受賞作は?
 横溝正史「本陣殺人事件」(第1回・1948年、長編)に始まり、さすがに名だたる名作ばかり。
 ネットで検索すると一覧はたくさんあるので、そちらで確認してね。
 その中で僕のお薦めは、次のとおり。ブログを読んでみてネ

【 北村薫さんの「夜の蝉」 】(link)

「第44回・1991年、短編・連作短編」での受賞です。
ラストでは,じわ~と心が温かくなって自然と涙があふれました。

夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

夜の蝉 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

  • 作者: 北村 薫
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1996/02
  • メディア: 文庫

 

【 綾辻行人さんの「時計館の殺人」 】

「第45回・1992年、長編」での受賞です。
ご存知「十角館の殺人」に始まる「館シリーズ」。はまりました。

日本推理作家協会賞受賞作全集〈68〉時計館の殺人 (双葉文庫)

日本推理作家協会賞受賞作全集〈68〉時計館の殺人 (双葉文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 文庫

【 北森鴻さんの「花の下にて春死なむ」 】 (link)

「第52回・1999年、短編・連作短編」での受賞です。
こういう日常に潜む謎って好きです。温かい雰囲気が漂う作品です。

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

花の下にて春死なむ (講談社文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2001/12
  • メディア: 文庫



 有名どころでは、
   宮部みゆきさんの
「龍は眠る」(第45回・1992年、長編)
   京極夏彦さんの
「魍魎の匣」(第49回・1996年、長編)
   東野圭吾さんの
「秘密」(第52回・1999年、長編)
   恩田陸さんの
「ユージニア」(第58回・2006年、長編・連作短編)
 もあります。

なお、1度受賞した作家の再受賞は禁じられているそうです。


【 日本推理作家協会とは 】

「推理作家協会」と名がつくから「推理作家」だけを会員とする団体かと思いきや、
作家のほかに、ミステリーと関わりのある評論家や翻訳家、漫画家など
様々なエンターテイメントの方々が集まった団体だそうで、
現在、630名を越える会員がいらっしゃるそうです。

現在の会長は大沢在昌(※)さん。
私はあまりハードボイルドを読まないのですが、「天使の牙」は大好きです。
も~、最初から最期までハラハラしどおし!
肩に力が入って、読み終わったとき疲れました(笑)。
ちなみに大沢さんは,第44回(1991年)「新宿鮫」(長編)で受賞です。

  ※ 2009年5月、東野圭吾さんが会長に就任されました。
                         <2009年5月27日追記>

理事には,今,最も勢いのある作家といっていい東野圭吾さんも。
私は,加賀刑事のシリーズ(学生のころの加賀くんから)が大好きです。
東野さんの受賞は、上に書いたとおり「秘密」(第52回・1999年、長編)です。

http://www.mystery.or.jp/
(↑ 日本推理作家協会HPはここです。覗いてみてください)


<2009年5月27日追記> 

● この記事は、ブログ「ハスカップティを楽しみながら」に掲載したものを加筆・修正したものです。

● 2009年(第62回)の受賞は次のとおりです。

長編及び連作短編集部門
  道尾秀介 
「カラスの親指」(講談社)
  柳 広司 「ジョーカー・ゲーム」(角川書店)

短編部門
  曽根圭介 「熱帯夜」(野生時代6月号)
  田中啓文 「渋い夢」 (ミステリーズ!28号)

評論その他の部門
  円堂都司昭 
「『謎』の解像度 ウェブ時代の本格ミステリ」(光文社)
  栗原裕一郎 「<盗作>の文学史 市場・メディア・著作権」(新曜社)

 


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