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天地明察 【冲方 丁】 [最近の素敵な本の棚]

ご存知、2010年本屋大賞の受賞作。
私もだ~い好きな『神様のカルテ』、『神去なあなあ日常』
『猫を抱いて象と泳ぐ』、『船に乗れ!』、『植物図鑑』といった
作品たちを抑えて、さすが大賞を受賞しただけのことはあります。
惹き込まれました!
この作品も私のお気に入りに仲間入りデス!
 (o^-')bグッド

天地明察.jpg
天地明察 (← amazonへはここをクリックね!)
作者: 冲方 丁
出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日: 2009/12/01
メディア: 単行本

 

【 story 】

太平の世へと移り変わりつつあった四代将軍家綱の御代。
“碁打ち衆”と呼ばれ、将軍様の前で“御城碁”を打つことを
許された四家の一つ、名門・安井家に生まれ、安井算哲、
公務以外では「渋川春海」と名乗る青年を“碁”以上に夢中に
させたものが算術だった。

ある日、春海は、老中・酒井雅楽頭から下命を受ける。

  「北極星を見て参れ」

それは、日本全国を旅して、緯度を計測し、地図の根拠と
なる数値を出してこいというものだった。
そして、それが改暦という未曽有の大事業の始まりだった。

【 まさに春海を表わす言葉、「天地明察」 】

平安時代から800年も続き、人々の暮らしに溶け込んでいた
でだろう暦。
今と違って天文への理解も浅い世の中で、文化そのものと言って
いい暦を変えようという途方もない大事業を行おうとするんです
から並大抵のことではないですよネ。
そんな大事業を、不屈の闘志と、失わない謙虚な心根で行う
人間「渋川春海」の魅力と、その波乱万丈とも言える凝縮された
一生に魅せられ、感動しました。

春海の改暦への想い。“えん”という女性との出逢いと別れ。
不遇の天才算術家・関との縁。そして、改暦を夢見た数々の
人々との結びつきなどと絡めて、春海が非常に親しみがあり、
素直で飾らない人柄として描かれたており、すごく感情移入が
しやすかったです。

読んでいるうちに、何だか、渋川春海という人物と一緒に、
途方もない大事業に取り組み、肩に力を入れ、苦しみ、
打ちのめされながらも、大願成就を夢見た人たちの想いを
胸に突き進んでいるような、そんな気持ちになりました。
ラストを読み終えて、春海と一緒に燃え尽きたような読後感
でした ^^;

ところで、天地明察の「明察」とは、「正解」、「ご明答」という
ような意味。
天の理、地の理を「正しく」解き明かした春海をまさに表わすに
ふさわしいタイトルですネ!

【 +plus 】

この物語で描かれている、春海が改暦に失敗したことなどは、
どうも史実のようです。
この物語がどこまでが史実であり、どこまでが冲方丁さんの
創作なのかは分かりませんが、江戸時代の前期という時代に、
非常に精度の高い暦を開発した渋川春海という偉大な人物が
実在し、大事業を成し遂げたという事実は、それ一つだけでも
本当に感動ものですよネ。

 


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