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戦闘妖精・雪風 〈改〉 【神林長平】 [SF・伝奇小説の棚]

この作品との出逢いはアニメ!
何年か前、某レーベルの“記念作品”としてOVA化されたそうで、
記念作品になるくらいだからきっと魅力的な物語なんだろうと
思って見たのがきっかけです。
戦闘機デザインや飛行シーンのカッコよさもありましたが、
物語の独特の雰囲気に惹かれました。
そのとき原作があるのを知って、それ以来、本屋さんに行くたびに
手にとっていた作品です。
実は、アニメではストーリーが把握しきれず、ラストも見ていなかった
ので、初めて触れた作品のような感じで楽しめました

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戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA) (←amazonへはここをクリックね!)
作者: 神林 長平
出版社/メーカー: 早川書房
発売日: 2002/04
メディア: 文庫

【 story 】

南極大陸に突如出現した巨大な紡錘形。
天空から打ち込まれた巨大なミサイルのように、氷棚に突き刺さる
格好をしたとてつもなく大きな白い霧柱。
それが、異星体ジャムの地球侵略用〈通路〉だった。
30年前、この〈通路〉を飛び出してきたジャムの先制第一撃で
人類はその存在を初めて知る。
そして、その〈ジャム〉に反撃すべく〈通路〉をくぐり抜けた先に
偵察部隊が見たのが惑星フェアリイだった。
そして、地球防衛機構は惑星フェアリイにFAF(フェアリイ空軍)を
派遣し、戦闘は惑星フェアリイへと移った―。

FAF最強の戦闘機・シルフィード。
そして、そのシルフィードのうち戦術偵察用に改良された13機の
スーパー・シルフィード。通称スーパーシルフ。
より高度な戦術戦闘情報を収集するため、戦闘空域の遠くから
情報を集め、“友軍機を見殺しにしても帰投せよ”という任務を
遂行するため、冷徹な心が要求される「特殊戦」のパイロットたち。
その「特殊戦」に所属し、スーパーシルフの特殊戦3番機である
パーソナル・ネーム“雪風”を操るのが深井零。
非情で孤独な任務の中、零が信じるのは愛機・雪風だけだった・・・。

【 謎と静かさが魅力の物語 】

人類の前に姿を現したことのない異星体・ジャム。
その姿が人間と似通っているのかも不明―
そして、ジャムとの最前線である惑星フェアリイも、ジャムの母星
なのか、そうでないかも分からない。
戦う相手は何なのか?本当にジャムは存在するのか?
明確なものがない、そんな霧に包まれたような印象の物語です。
そして、そんな霧が少しずつ晴れていくように、物語の謎や戦いの
意味が少しずつ(本当に少しずつ)明らかになるにしたがい、
どんどんと物語に惹き込まれました。
( <改> を読み終わっても、まだまだ謎なんですけどネ!)

そして、主人公の零。
“信じるのは雪風だけ”
零が戦う理由は、生残るため。そのため以外の他人とのコミュニ
ケートは不要、他人が自分をどう思おうと「それがどうした」という
ように、余計な感情を削ぎ落としたようなクールガイ。
私自身、正直なところ、どうして零に魅力を感じるのか言葉にでき
ないのですが、何かカッコよくて魅力的です。
主人公がそんな感じなので、ある意味、非常に静かな物語。
この静かさも魅力な作品だと思います。

この<改>は、まだ物語が始まったばかりという感じ。
続編“グッドラック”、“アンブコークンアロー”と非常に続きが気に
なります!

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【 +plus 】

『戦闘妖精・雪風』は第16回(1985年)の星雲賞を、
『グッドラック - 戦闘妖精・雪風』は第31回(2000年)の星雲賞を
受賞しているそうです。

ちなみに、「星雲賞」とは、日本国内および海外のSF小説と、その
周辺ジャンルを対象にした賞で、日本では最も長い歴史を誇るそう。
ちょっと古いですが、1988年には「銀河英雄伝説」(田中芳樹)とか
最近では2008年に「図書館戦争シリーズ」(有川浩)が受賞してい
るそう。
ところで、「図書館戦争」って、恋愛のジャンルばかりじゃなくて、
SFのジャンルにも入るんですネ!

 


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