八日目の蟬 【映画】 [映画の棚]
切なくて感動して涙が止まらなかった角田光代さんの『八日目の蟬』
映画化に際して、この心に染みいる物語の世界を壊してしまわないか
という不安と、映像でもこの世界に触れてみたいという期待とが
入り混じって複雑な気持でした。
実際に映画を観てみましたら、原作の世界を壊していないというより、
それ以上に原作の世界を素敵に描いた作品になっていて、劇場で
涙しそうになりました (>_<)ナミダガアフレソウデシタ
(感動して、もう一回、原作を読みなおしたくなりました。)
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【 story 】
― 優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした ―
秋山恵理菜(井上真央)、21歳、大学生。
薫と名付けられ、誘拐した希和子(永作博美)に4歳まで育てられ、
そのことが原因で実の家族にも心を閉ざし、人を愛することも、
愛されることも分からずに育った。
ある日、恵理菜の前にルポライターの千草(小池栄子)が現れる。
そして、不倫の子を妊娠した恵理菜は、自分の人生を確認する
かのように、千草とともに希和子との逃亡生活をめぐる旅に
出るのだった。
たどり着いた先で恵理菜の記憶の底から浮かんできたのは・・・
【 涙が出そうに・・・ 】
永作博美さん演じる希和子が薫に注ぐ愛情が伝わってきて、
観ていて切なく切なくて、涙がでそうになりました。
特にラスト近く、小豆島の写真館でふたりで写真を撮るシーンでは、
薫との別れの予感、あふれんばかりの薫への愛情などが伝わって
きて、胸に込み上げてくるものがありました。
そして、フェリー港での別れのシーン。
薫を見つめる希和子のまなざしが切なくて、切なくて。
この映画は、永作さんの映画といっていいのではないでしょうか!
永作さんの演技が、より素晴らしい作品にしてくれていて、本当に
感動しました。
▲ “つかの間の幸せ”が伝わってきて、寂しさを感じたシーンです。
すごく印象に残るシーンです。
【 感動が次から次へと押し寄せてきます。 】
映画では、原作で描かれていなかった小豆島での恵理菜が描か
れています。
そして、小豆島で過去をめぐる旅をすることによって、人をどう
愛したらいい分からなくなっていた恵理菜が、希和子から注がれ
ていた愛、実の母から注がれていた愛に気づき、自分の子へ
愛情を感じるところが分かりやすく描かれていて、非情に心に
染みいってきました。
その原作の2章の感動シーンに、1章の切ないシーンが、映画では
一緒に描かれていて、感動が次から次へと押し寄せてきました。
原作の世界を壊さず、非常に丁寧に、そして、心情が私たちに
伝わりやすいように演出されていて、とても素敵な作品でした。
原作のファンの方にも、本当にお薦めの映画です。
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