出逢った小説リスト 【2014年1月-3月編】 [読んだ作品リスト]
2014年(平成26年)の1月~3月に私が出逢った小説たちです♪
読んだ作品数はそれほど多くなかったのですが、気に入った
作品がいくつもあったので、とても満足感がある第1四半期でした
^_^
※ 『出逢った小説リスト【2013年10月-12月編】』もよかったらどうぞ ♪
※ 既に紹介している作品のタイトルにはLinkを貼っています。
― 1月 ―
01_獣の奏者 外伝 刹那 【上橋菜穂子】(Link)
本編では空白だったエリンとイアルの再会からジェシの出産
までを描いた「刹那」、エサルの若き恋を描いた「秘め事」を
中心とした短編。他の2編はとても短いです。
昨年11月に「刹那」までは読んだのですが、素敵な作品で
感動したので、他の作品も大切に落ち着いて読みたいと思い、
途中で止めて2014年の第1作目に選びました!
なので、「刹那」を読むのは2度目になったのですが、また
新たな感動があって涙が出てきました。他の作品もすばらしい、
超お薦め作品です!
ただし、本編を読んでから、この外伝を読んでネ。そうしない
と、感動が半減してしまいますヨ。
02_写楽 閉じた国の幻(上) 【島田荘司】
昨年、高橋克彦さんの「写楽殺人事件」を読んで、その謎に
包まれた写楽という人に興味を持ちました。この作品は、
「このミステリーがすごい!」で高順位のようであり、島田さん
の作品ということもあって期待して読み始めました。
上巻を読んでも、いま一つ、物語の全体像が見えてこない
感じがします。それにしても、10か月だけ華々しく活躍し、
忽然と姿を消してしまった写楽という人物。真実を知ることは
できないのでしょうが、魅力がつきないテーマですね。
03_少女は夏に閉ざされる 【彩坂美月】
高校最後の夏休みに、ある想いを秘めて山の上の女子寮
に残った七瀬。しかし、地震による崖崩れにより外部との連絡
が遮断されてしまう。同じ居残り組の日向と美夜子は男性教師
が女性を撲殺する瞬間を目撃、寮生の間で殺意が入り乱れ・・・
といった作品。
タイトルから、「雪山の山荘」シチュエーション(雪により、交通
も通信手段も隔絶され、完全に孤立した山荘で次々と発生する
殺人事件)のような作品をイメージしていたのですが、どちらか
というと、なぜ、友人や姉妹同士の心に殺意が芽生えたか、
どうしてそこまで思い詰めたのか、心のすれ違いといった心理
を描いた作品という感じでした。
残された数人の寮生が何人も殺意を有しているってちょっと
現実にはあり得ませんよね。でも、こういう極端な設定でなけれ
ば描けないところもあるのでしょうし、まあまあおもしろかった
です。野心作って感じで、そういう意味で評価です!
▲ 少女は夏に閉ざされる (幻冬舎文庫)
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作者: 彩坂 美月
出版社/メーカー: 幻冬舎
発売日: 2013/10/10
メディア: 文庫
― 2月 ―
04_アンチェルの蝶 【遠田潤子】 (Link)
絶望と希望を描いた作品って大好き♪
さらに、表紙の美しさも最高!(*^-')bイイ!
私の“もろ好み”な作品でした。良かったら、Link 先の
記事を読んでみてくださいネ。
05_いつまでもショパン 【中山七里】
“さよならドビュッシー”に始まる岬洋介シリーズ最新作。
推理小説というより、ショパンコンクールが舞台だからか、
少し、ストーリー性よりショパンの素晴らしさを語るのが目的
の作品っていう印象です。きっと聴けば知っている作品も
多いのでしょうが、私程度の知識だとタイトルだけ読んでも
メロディが頭に浮かんでこないので・・・。
でも、コンテスタントの高揚感がズンズンと伝わってきて
楽しめました。
06_丸太町ルヴォワール【円居 挽】
舞台が京都だからか雰囲気は森見登見彦さん、内容は、
ひと工夫した法廷物という感じです。
実は、第2作目の文庫本が刊行された時、読んでみたく
なって、この第1作目をずっと探していたのですが、なかなか
見つからず・・・。大阪に出張した際、入った本屋でやっと見つ
けました。意図的らしいですが、物語の中心が誰かわからず、
ちょっと読みずらかった・・・。工夫は“買い”の作品です。
▲ 丸太町ルヴォワール (講談社文庫)
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作者: 円居 挽
出版社/メーカー: 講談社
発売日: 2012/09/14
メディア: 文庫
― 3月 ―
07_箱庭図書館 【乙 一】
読者が募集した投稿作を乙一さんがリメイクした短編集。
読んでいて、舞台は同じ町ですし登場人物もかぶるなどの
統一性はあるけど、でも、何だかそれぞれの作品の雰囲気が
かなり異なるなあという印象でした。あとがきを読んで、そもそも
ベースが異なることを知って、「だから、そんな印象だったんだ!」
と納得しました。乙一さんということで期待し過ぎていたからかも
しれないけど、私的には、手放しでお薦めとまでは行かないかな。
08_六月の輝き 【乾 ルカ】
ある出来事を境に友情が壊れてしまう。心にぽっかり空いて
しまった穴を埋めて元の仲に戻りたいのだけど、気持が整理
できずに・・・。そんな葛藤と友情が描かれた作品。
ただし、この作品は、超常的なことが描かれているからか、
物語を取り巻く雰囲気が単純な友情物語とは違う印象です。
乾ルカさんは初めてだったのですが、こういう感じの作品を
描く方なのかな。気持の整理のできない美奈子の気持にすごく
共感できて、すごく良かったのですが、個人的には、超常的な
ものはなしに、リアルで押している作品のが好きなんですけど
ね!超常的なものを挟むことで、美しい物語にする効果があ
るのかもしれないけど。
09_優しい音楽 【瀬尾まいこ】
付き合った彼女・千波は、両親に紹介することを避けようとする。
なぜなのか・・・。というストーリー。
こう書くとミステリっぽくなってしまいますが、そういう物語では
ありません。詳しくは書く訳にはいきませんが、私がタケルだっ
たら、少し複雑な心境です。でも、出逢いはそうであったのかも
しれませんが、それを越えたものだとお互いが理解できたから、
二人は進展しているのでしょうね。
みんなで行った演奏は、まさに優しさに溢れた音楽(何のこと
だか分からないと思いますが)。タイトルじゃありませんが、
瀬尾さんの作品には「優しさ」を感じますね。
10_神祭 【坂東眞砂子】
昨年、ご逝去されたことを知って、何か作品を読んでみたいと
思っていたところ、新刊が刊行されていたので読んでみました。
板東さんの作品は、昔、映画化された「狗神」くらいしか読んだ
ことがなく、最初は、とりあえず有名な「死国」を読むつもりだっ
たんですけどね!
短編集なのであっさり目に終わり、おもいっきり“おどろおどろ
しい”ということはないです。私は、もっと、おどろおどろしいのを
期待していたのですが・・・。それにしても、日本独特の土着の
雰囲気って、なぜか分かりませんが、妙に惹かれるものがあり
ます。
11_共犯マジック 【北森 鴻】
「フォーチュンブック」という、その人の悪い未来を予言する
本に端を発する連作短編。
北森鴻さんがご逝去されて4年。ハードカバーから文庫化
される作品もそろそろ無くなる頃かなっと思っていたので、新刊
文庫が出ているのを見つけて、すぐ手に取りました。
まるでフォーチュンブックの導きのように、関係した人々の人生
が絡み合っていきます。私としては、読んでいる最中、「フォー
チュンブックという超自然的な力が作用して、それに関わる人々
が翻弄されたのか」がずっと気になっていたので、ラストは少々、
消化不良気味の印象でした。
人と人との関係には、現実にも「不思議な縁」というものがあり
ますが、そういう不思議さが味わえる作品です。
▲ 共犯マジック (徳間文庫)
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作者: 北森 鴻
出版社/メーカー: 徳間書店
発売日: 2004/10
メディア: 文庫
以前にも書いたことがありますが、カバーデザインって、私にとって
購入の大きな要素の一つです。読んでいる間中、カバーデザインの
印象をその作品のイメージとして読んでいることが良くあります。
この第1四半期は、「獣の奏者 外伝 刹那」、「アンチェルの蝶」、
「丸田町ルヴォワール」、「共犯マジック」と、私好みのカバーデザイン
も多くて、そういう意味でも満足感がありました♪
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