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ドールズ -暗から来た少女- 【高橋克彦】 [最近読んでみた本の棚]

ドールズ -月下天使-(“ドールズ”シリーズの第4作)文庫版の
妖しい表紙を書店で見かけて以来、ずっと気になっていていた作品。
しかし、書店に寄るたびに探してもなかなか第1作を見つけることが
できず、たまに見つけても本が痛んでいたりして・・・(本は大切に
保管したいのでキレイなものがいいんです♪)。
この度、中公文庫刊(旧中央公論社時代の文庫なので、同社の
HPにも載っていないです!)を図書館で見つけて、贅沢を言ってい
ると読む機会がまた遠のく!!っと思い借りました。

  ドールズ1.jpg
  ▲ 中公文庫刊より角川文庫刊の方が妖しい雰囲気です!
    
ドールズ (角川文庫)
    ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ )
    作者: 高橋 克彦
    出版社/メーカー: 角川書店
    発売日: 1997/08
    メディア: 文庫

【 story 】

盛岡で喫茶店“ドールズ”を経営する月岡真司の7歳になる娘・怜(れい)
が、雪道で車にはねられ重傷を負った。
だが入院中の彼女は、深夜奇妙な行動をとり、人形に異常な執着心
をみせるなど、子どもとは思えない不可解な行動を次々とする。
怜の叔父・結城恒一郎は、人形作家の小夜島香雪(かゆき)とともに
その謎を探るが・・・ 。

【 ホラー小説なの?? 】

背表紙のあらすじを読んだときは、“何か”が少女に取り憑いて・・・
みたいな感じだったので、よくある話しのように、取り憑いた、悪意の
塊のような“何か”と超常的な攻防のような話しを漠然と想像していた
のですが、読んでみるとちょっと趣向が違っていて、怜(少女)に潜む
人格はいったい何者なのか?という謎解きの要素のが強く、読み
終わって振り返ってみると、あまりホラーを意識せずに、どちらかと
いうと推理小説の感覚で読んでいました。

また、歴史の表舞台には出てこない(教科書には載らない)江戸時代
の人形師たちの歴史について細かく触れていて、知る機会のほとんど
ない江戸時代の庶民文化についても、が興味深くて、おもしろかった
です(以前に読んだ、写楽殺人事件でも、当時の浮世絵界のことが
詳しく説明されていておもしろかったのを思い出しました)。
あまり不気味さがなくて、歴史物を読んでいるようなおもしろさや、
ちょっと捻った意外な展開で私的には気に入った作品!でも、純粋
なホラーを期待している方には、肩すかしになってしまうかもしれま
せんね。

【 plus+ 】

第1作が気に入ったので第2作を読もうとタイトルを調べていたら、
第2作の「ドールズ -闇から覗く顔-」以降は、趣がガラリと変わ
ってミステリ作品になるとの解説がありました。
私の印象も、もともとホラー色が薄くてミステリ要素が強いという
ものだったけど、ホラー色がもっと薄くなるのかな?
続刊を参考にご紹介しておくと、

  第2作:ドールズ -闇から覗く顔-
  第3作:ドールズ -闇から招く声-
  第4作:ドールズ -月下天使-
  第5作:ドールズ -最終章 夜の誘い-

だそうです。
第5作は2013年末に刊行されたばかりみたい。
さて、どんな結末が待っているのか。楽しみです。


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