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約束の森 【沢木冬吾】 [どきどきな物語の棚]

沢木冬吾さんの名前は知っていましたが、たぶん読むのは初めて。
この作品は、書店で見かけて、“あらすじ”を読んでからずっと気に
なっていたのですが、手にとっては戻してを繰り返していました。
以前も書いたことがあると思いますが、初めて読む作家さんって、
自分の好みに合うか心配で(好みじゃなくても必ず最後まで読む
ようにしているので、なかなか気力がいるんです)、どうしても手を
出すのを躊躇してしまうんですよね。
そして、躊躇した理由はもう一つ。でも、それは後ほど。

  約束の森s.jpg
  ▲ 約束の森 (角川文庫)
    ( ↑ amazonへはタイトルをクリックしてネ!)
    作者: 沢木 冬吾
    出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
    発売日: 2014/07/25
    メディア: 文庫

【 story 】 

かつて警視庁公安部に所属していた奥野侑也。
大量の血痕を残して行方不明となった妻の時効が成立し、「あ
る理由」で退職していた。孤独にひっそりと暮らしていた侑也の
元に、ある日、公安部の緒方が訪ねてくる。緒方の依頼は、
ある目的のため、北の寂れた土地にあるモウテルで働くという
ものだった。
モウテル近くのサイロ(貯蔵庫)。そこで侑也は、若い男女と親子
のふりをして暮らすよう指示される。
明かされる緒方の目的。しかしそれは真の目的なのか?それ
とも裏に何か隠されているのか!?
侑也は、貸し別荘で虐げられていたドーベルマン・マクナイトを
引き取り、一見平穏な生活を始めるのだが・・・。

【 読み応えがありました! 】

緒方の真の目的は?緒方の後ろで画策する神之浦の目的は?
そして、神之浦と敵対する組織スカベンジャーとは?

多くの謎とそれぞれの思惑が絡み合い、何が真実かが分からず
飽きさせぬ展開。少しずつ明かされていく謎。そして、いっきに
加速する怒濤のラスト。文庫で600ページに迫る作品ながら、
あっという間に読んでしまいました。
そんな読んでいる方も緊張する展開の作品ですが、次第に変化
していく偽家族の関係、少しずつ結ばれていく侑也とマクナイトの
信頼など、ふっと緊張を解いてくれる心地よいストーリーも、物語
の緊張感を壊さない程度に適度に散りばめられています。

思い込みかもしれませんが、警視庁公安部が出てくる作品には、
公安部が暗躍するような定番が多い印象で、またこのパターン?
って思ってしまいます。
また、以前、動物が出てくる作品で、「どんな機転でこの危機を
切り抜けるのだろう」と期待して読んでいたら、窮地を動物の
「偶然の行動」で切り抜けてしまい、そこまで良質だった作品が、
いっきに興ざめ!ということがあって、つい動物が重要な役割を
果たす作品は敬遠しがちになっていました。
この作品は、まさに懸念する二つが出てくる作品だったので、
また期待を裏切られるのではないかと手に取るのを躊躇したの
ですが、結論としてはそれらは杞憂。懸念していたような感じが
なかった訳ではありませんが、気になりませんでした。
もう非常に私好みの作品で、“超”ドンピシャの作品!とても、
お薦めの作品です(*^-')bチョウ、オススメ♪


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