消失グラデーション 【長沢 樹】 [最近の素敵な本の棚]
最近、青春ミステリ的な作品を読んでいなかったので、手にとって
みました。登場人物たちがしっかり描かれていて、ミステリも本格的!
なかなか、おもしろかったですヨ♪
▲ 消失グラデーション (角川文庫)
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作者: 長沢 樹
出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
発売日: 2014/02/25
メディア: 文庫
【 story 】
藤野学院高校の男子バスケ部に所属する僕・椎名康(コウ)。
僕は、ある日、チーム内で孤立する女子バスケ部エース・網川緑
と校舎の屋上で会話を交わしていたが、その場を少し離れた隙
に網川が転落する。
― セーターとブラウスの肩口を血に染め横たわる網川 ―
彼女の元へ駆けつけ、助けようとする僕だったが、後ろから首を
羽交い締めされ気を失ってしまう。そして気づいたとき、血痕だけ
残し、緑の姿は忽然と消えていた・・・。
半年ほど前にあった不審者・通称ヒカルの侵入事件以降、監視
カメラなどをセキュリティが強化された校内。そこで起こった謎の
消失事件に・・・。
【 登場人物が丁寧に描かれてます! 】
冒頭のシーンを読んだ時、軟派な主人公の、軽い物語かなっと
思ったのですが、読んでみたらこれがなかなか。主人公は、意外と
ウジウジと悩みまくっていますし、青春しています(笑)
物語が始まって、なかなか「消失」にまで至らないのですが、主人
公や先輩・同級生たちとの関係が丁寧に描かれており、事件が
起こらなくても飽きさせませんでした。
そして、いざ「消失」が発生し、
なぜ、網川の姿が消えたのか? 網川の隠された悩みとは?
といった謎で、物語に惹き込まれました。
個人的には、苦手な描写(○○カット)もありましたが、味のある青春
小説として、なかなかのお薦めです。
【 +plus 】
この作品は、
第31回横溝正史ミステリ大賞(2011年)
2012年版 このミステリーがすごい!第6位
2012 本格ミステリ・ベスト10 第6位
だそう。評価の高い作品です。
そして、この「消失グラデーション」で探偵役となった樋口真由を主人
公にした(っというか“消失”シリーズと名付けられた)
「夏服パースペクティヴ」と「冬服トランス」(いずれも単行本)
という作品も刊行されていますヨ!
▲ 夏服パースペクティヴ (樋口真由“消失”シリーズ)
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作者: 長沢 樹
出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日: 2012/11/01
メディア: 単行本
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