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恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近 【エドモンド・ハミルトン】 [古典的名作の棚]

 私が “古典的SF” 作品というとまず思い浮かべるのが、この
「キャプテン・フューチャー」シリーズ。学校の図書館で借りて、
止められずに夜中まで読んだ想い出があります。
 当然、とっくに、このブログで取り上げていたと思っていたの
ですが・・・。たぶん、ほとんどの作品を読んでいるはずですが、
やはり第1作を取り上げますね。

  CF全集1s.jpg
  ▲合本版の表紙は、鶴田謙二さん。
   大好きなイラストレーターさんです。

   恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)
   ( ↑ amazonへは、タイトルをクリックしてネ!)
   作者: エドモンド・ハミルトン
   出版社/メーカー: 東京創元社
   発売日: 2004/08/24
   メディア: 文庫

【 story 】

 幼い頃、両親を殺害され、科学者で「生きている脳」のサイモン、
鋼鉄ロボットのクラッグ、合成人間のオットーにより月面基地で
育てられたカーティス・ニュートン。
 3人による英才教育の結果、高度な科学知識とずば抜けた
身体能力を身につけ、正義感に溢れた若者に成長した彼は、
太陽系の未来のためにキャプテン・フューチャーと名乗り、人々
のために生きる決意をした。そして、人々の危機を幾度と救い、
太陽系の人々から尊敬を集める存在となっていた。
 そんなキャプテン・フューチャーたちに、太陽系政府主席から、
助けを求める連絡が入る。木星で「祖先返り」と呼ばれる、人々
が獣に変化する事件が発生し、拡大しているというものだった!

【 冒険ロマンに満ちたシリーズ☆ 】

 善は善、悪は悪と単純明快なのが古典的作品のいいところ。
善が実は悪であったり、悪であると思ったら実は正義の真実が
隠されていたりといった複雑さはなく、単純に、善が悪と戦い
懲らしめていくので安心して読めます。
 また、第1作の敵が「宇宙帝王」のように、今だったら絶対に
つけないであろうネーミングがほほえましくもあります。

 そして、最大の魅力は、現在の科学的常識にとらわれること
のないロマンが満ちあふれたところ。
 この第1作の舞台は木星ですが、木星人がいたり、失われた
高度な文明の痕跡があったり、まだまだ未知・未開の地が多く、
想像を絶する生物がいたりして、まさにフロンティアでの冒険
ロマンに満ちあふれています。
 そして、キャプテン・フューチャーが発明した人の姿を見えなく
する装置(ただし、万能の装置ではなく、効果の時間が限られ、
それで窮地に立つこともあるところがニクい!)などの高度な
科学技術を活用して、幾多の危機をくぐり抜け、コメット号で
太陽系を所狭しと駆け回るところなどワクワクさせられます。
今では、きっと、こういう魅力の作品は描けないでしょうね。

  CF_Hayakawa_s.jpg
  ▲ ハヤカワ文庫版の表紙。このシリーズは、古書店など
   で見つけると、手に入れるようにしています。
    味があるイラストですよネ♪

【 +plus 】

 この合本版では、キャプテン・フューチャー誌(というものが
あったよう)に掲載されたコラムが紹介されています。それによ
ると、キャプテン・フューチャーの世界では、月に人類が到達
したのは1971年(現実は1969年)だそう。月への到着は、
現実とほとんど一致していますね。
 キャプテン・フューチャーの第1作が発表されたのが1939年。
そして、キャプテン・フューチャーの世界では、1988年に木星、
2002年には冥王星に到達しているそうですから、作者のエド
モンド・ハミルトンは、2016年って世界をどんな世界になって
いると想像していたのかなぁ!


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